どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

日曜日, 3月 20, 2011

君にエールを送ろう

「よっ。左京。」
「・・・ああ。ギル、おはよう・・・。」
「・・・どうした?また・・・情けない顔してるな・・・。」

「ああ・・・。昨夜、宗太とちょっとやりあっちゃって・・・。」
「坊ちゃんと?珍しいな・・・。どうした?」

「いや・・・。」
「・・・橘花のこと・・・か?」
「・・・ああ。」

左京と宗太が対立するのならば、原因はそれしかないであろう。
しかも宗太はあの時、左京に知られても構わない、と言った。
それで左京とやりあったのかもしれない。
「何を言われた?」
「・・・。」
「橘花に迫った、とでも言われたか?」
「ギル!お前・・・なんで知って・・・。」

やはりその通りだった。
そんなことを言えば、左京との関係がどうなるかくらい、分からない年ではないだろう。
・・・いや、同じ女性を好きになった時点で、どちらに転ぼうとも、二人の関係が崩壊することは、目に見えていた。
だから左京は、橘花とのことをひた隠しにしていたのだ。
「俺・・・現場に踏み込んだんだ。」
「え・・・。き・・・橘花は・・・。」
「・・・すまん。もっと早く気付けばよかった・・・。」
「まさか・・・。」

宗太は、途中で邪魔が入った、とは言っていたが、その時、橘花がどうなっていたのか、宗太がどこまで橘花を追い詰めたのかは言わなかった。
ただ、『抱いた』と言っただけだ。
「あ・・・あいつ・・・抱いた、なんて言ってたけど・・・。」
「安心しろ。そいつはハッタリだ。橘花はちゃんと、服は着てた。」
「あ・・・。」

「・・・いや。安心しろ、というのは間違ってるな・・・。あいつ・・・泣いてた。」
「え・・・。」
「あのガキ・・・何考えてやがるんだっ!」

「泣いてた・・・か・・・。」
「それから顔見てないが・・・お前、見たか?」
「いや・・・寝顔・・・だけ。」

「お前・・・気持ちは分かるが、お前がそんな辛気臭い顔して、どうする?」
「ん・・・橘花がどんなに傷ついてるかって思うと・・・。」

「・・・俺・・・宗太がそんなことするなんて、思ってもみなかった・・・。橘花の助けになりたいって思ってるのに・・・思ってるだけじゃ・・・。」
「左京。」

「自分を責めるな、と、こないだも言ったはずだ。」
「けど・・・。」
「お前がそんなことぐじぐじ悩んで、橘花が救われるとでも思ってるのか?」

「・・・俺は無力だ・・・。あいつに・・・何もしてやれない!」
「左京・・・何もしてやれないなんてことはないだろう?今、お前が出来る精一杯のことをしてやればいい。」

「出来る・・・精一杯のこと・・・?」
「・・・左京。もういいだろう。」
「え・・・。」

そう言って、ギルはにっこりと笑った。
もう、この家の住人は皆、左京と橘花の関係に気付いている。
「誰憚ることなく、橘花のことを抱き締めてやれ!」
「・・・ギル・・・。」

「それなら・・・出来るだろう?」
「ギル・・・俺・・・。」

「左京・・・。」
「・・・あ・・・。」

「お前のその、ちっこい身体に詰まった、ありったけの愛情を、あいつに注いでやれ!」
「う・・・ちっこいは余計だ・・・。」

「はは。悪い。けど・・・ちっとは元気、出たか?」
「ああ・・・。」

「ありがとう・・・ギル。」

「持つべきものは、でっかい親友だろ?」

「ははっ。自分で言うか!」
「ふっ。やっと笑ったな。」

「ん。」
「よし!それでいい。」

↑可愛い♡                   
「ちゃんと笑って、しっかり橘花を抱き締めてやれ!」
「ああ!」

「坊ちゃんのことは・・・時間が解決してくれるのを待つんだな。お前がしっかり橘花のことを抱き締めてれば、嫌でも諦めがつくだろう。何年でも待ってやれよ。」
「あ・・・。」

「・・・そう・・・だな・・・。」
『・・・しまった・・・最後に余計なこと言っちまった・・・。』

せっかく左京の笑顔を見ることが出来たのに、また沈鬱な面持ちに変わっていく。

『宗太・・・。・・・分かってくれる日が・・・くるんだろうか・・・?』

宗太がまた、自分に話しかけてくれるまで、いったいどのくらいかかるだろう。
左京は、宗太を一人前の大人として扱ってきた。
ただ、それは、宗太を見放しているということではない。
対等な男同士として、宗太の人格を尊重してきた結果だった。
だが、昨夜、宗太が自分にぶつけてきた言葉はすべて、『親』としての自分に対する、子供らしい甘えやわがままだった。
自分は、宗太に対する接し方を間違っていたのだろうか・・・。

『左京・・・元気を出せ・・・。逆風に負けるな!』

そうやってエールを送ることしか出来ない。
それが今、自分に出来る精一杯のことだ・・・とギルは思っていた。

「橘花ー。・・・あ、だいぶ腫れ、引いたね。」
「うん。」
「まだ痛い?」
「もう痛くないよ。大丈夫。」

「お化粧すれば隠れるよねっ。」
「うん。」
「・・・ね、買い物、行かない?いろいろ揃えなくちゃいけないものがあるんだー。」
「ギルは?」

「だってぇ・・・ビスチェとかガーターとかストッキング買いたいんだもん~。橘花の方がいいの。」
「ん・・・ゴメン。あんまり外、出たくないんだ。」

「橘花・・・。」
「・・・ゴメンね。今は・・・無理なの・・・。」

そうやって寂しげにちょっと目を伏せる橘花を見ると、ロッタも寂しくなった。
「じゃ、あたしもやーめたっと!」
「え・・・?」
「橘花と一緒に行きたいんだもん。橘花が元気になるまで、待つよ!!」
「ロッタ・・・。」


『橘花が悲しそうな顔してるとつまんない・・・。最近、ずっとそうなんだもん・・・。』

『早く元気にならないかなー。』

ロッタはまた、ロッタなりに、橘花を気遣っていた。
ギルから、橘花の顔の傷については何があったのかは聞いていたので、元気付けてあげたい、と思うのだ。
しかし、橘花は乗ってこない。
いつかもこんなことがあった。あの時は、二人で踊って憂さを晴らした。
その時よりも、橘花にはもっともっと大きな、気がかりなことがあるのだ、ということだけは分かった。

「・・・あ、橘花。」

左京は、橘花と話すチャンスを伺っていた。
橘花はずっと部屋に閉じ篭っていて、食事の時くらいしか顔を出さないのだ。
「橘花、ちょっと・・・。おいで。ここ、座って。」

たまたま橘花が通りかかったので、左京は声をかけた。
でないと、今度、いつチャンスがくるか分からない。
「・・・左京・・・。」
「・・・おいで。」

橘花は、その言葉に素直に従った。
『・・・よかった・・・断られなくて・・・。』

「・・・あのさ・・・。」

しかし、何を聞こうか、何から話そうか、と言葉を捜し、左京は言葉に詰まった。
・・・いや、まず順序立てて話さなければいけない。
そもそも自分は、何を橘花に伝えたかったのか・・・。
「俺・・・。」
「・・・ん?」
「俺さ・・・今度のツアーが終わったら・・・。」

しかしその時、軽快な音楽が鳴り始め、左京の言葉をかき消した。
「・・・ロッタちゃん・・・そこで踊るの・・・やめてくれないか?」

「だってここしかステレオ、ないんだもーん。」
「・・・左京、ワタシ、部屋に戻るね。」
「あ・・・。」

「橘花・・・。」

『・・・この子に・・・空気読めってのは無理か・・・。』
「ふんふ~ん♪」

「ロッタちゃん・・・。」
「二人とも、つまんなそうな顔してるんだもん。元気出るかな~って思って。」
「・・・時と場合によるんだよ・・・。」

いつになったらきちんと橘花と向かい合えるのだろう。
やはり、共有スペースで話をするのは難しい。
ならば、部屋で二人きりになるしかない。
左京は、橘花の後を追った。







関係ないんですが、ウチの会社にはワタシと同じ苗字の人がもう一人いて、
ワタシは時たま、『ちっさい○○さん』と呼ばれています。
いや・・・ワタシ、別にちっさくないのですが、もう一人の方が大きいので・・・。
そちらは、『でっかい○○さん』と呼ばれるわけなんですが・・・女性なのに『でっかい』って呼ばれるの、どうなのよ!?
遠慮のない会社である・・・。
ギルと左京も、そんな感じで。

2 件のコメント:

  1. yuzuさん、こんばんは!
    地震の後は気持ちが沈みがちになっていたのですが、
    昨日ぐらいからまたパソコンを開いてます!
    といっても、節電・停電の中ですので、
    前のように頻繁ではないんですけどね。
    遊びにきたらお話しが進んでいて嬉しかったです♪

    圭介パパはついに気付きましたね~
    娘と左京の関係に気付いてからは色々理解するのが早かった!
    さすが圭介パパ~
    橘花への思い溢れる言葉にジーンとしちゃいました:;

    橘花は何も悪いことをしていないのに、
    どんどん深くて暗い所へ1人で行ってしまってますよね・・・
    パパが行った通り左京が手を握ってくれたら・・・それを離しちゃダメだよ><

    宗太は・・ついに・・・欲望のままに行動しちゃいましたね。
    怖かっただろうな、橘花:;
    相手の事を考えられる大人にならなきゃ!
    けっこう難しいことですけどね。
    でも女の子を泣かすような男になっちゃダメだぁ!!

    yusuさん、私最近、ギルに夢中です><
    だってカッコイイだもん(笑)
    余裕のある男ってカンジで、みんなの良き相談相手!
    やっぱりカッコいい♪

    ご報告↓
    こんな時ですがこんな時だからこそ繋がりを求めて、ツイッター始めました^^
    まことんさんの所でyuzuさん発見!
    後程フォローさせて頂きたいと思っていますm(__)m

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  2. Naonさん、こんばんは!

    計画停電とか節電とかだと、やっぱりパソコンつけっぱなしというのは気になりますものね・・・。
    たま~に覗いてくださるだけでありがたいんですよ~(>_<。)
    でも、こうやって覗いてくださった方のためにも、更新はせっせとやってます。
    ちょっとでも楽しんでもらえたらいいな、という気持ちです。

    さすがのパパも、自分の娘のことには、ギリギリまで気付きませんでした。
    墓探し、って一大イベントがあった時だったし、そっちにばかり気を取られていて、気付くのが遅くなってしまって、気付いた時にはもう、自分は行かなきゃならなくって・・・。
    だから橘花に、精一杯の言葉を送ったんです。
    迷って、一歩踏み出せない時は、止まってもいいんだよ、って。
    で、その頼りになるパパがいなくなってしまったので、ギルの出番なんですよ(^-^)
    左京は、橘花のことであれこれ思い悩んでるし、ダニエルと宗太はあんなんだし(笑)
    前から、ダニエルや宗太に対しては、頼りになる兄貴的存在だったんですが、ここ最近はずっと、左京のことを気遣ってあげてます。
    結婚も決めちゃったし、余裕です♪

    宗太がちょっとおかしくなってるんですけど、これはきっと、ダニエルがなんとかしてくれます!
    ダニエルにも心境の変化が訪れてますので。
    左京と宗太は、実際に喧嘩させちゃったので、今、ゲームの中でも険悪・・・というか、お互い避けあってるんですけど、宗太が冷静になってちゃんと考えれば理解するはずです。
    今は、橘花への気持ちが優先しちゃってますけど、それはやっぱり、まだ若いから。
    若さというのは、時に暴走してとんでもないことになりますからね。

    あ!ツイッター、始めるんですか!!
    ワタシのアカウントは、別にシムズ用でもなく、あんまり呟いたりしないんですが、ぜひぜひ~!
    お話しましょう♪
    来るものは拒まない体質(?)なので、いつでもどうぞ~♪

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