「降りてみるしかないだろう。」
「・・・なんかコワイ。」
扉は自然に開いた。
二つ目の扉には、何か仕掛けがあったわけではないし、特に何をしたわけでもない。
それに・・・いつの間にか灯りが灯っている。
道が見つかれば、進むしかない。
「おい。先に行くぞ!」
「・・・ずいぶん深いな・・・。」
「ここは地下何階だ!?」
長く長く下に続く階段を、ひたすら降り続ける。
ようやく到着したエリックも、この地下室に降りてきた。
「お・・・おお・・・。」
「チャールズ・・・。やっとあなたの悲願が果たせそうです・・・。」
自分は幸せだ、とエリックは感慨深かった。
アーネストから五代。
この瞬間に立ち会える幸運を、神に感謝した。
遺言に縛られてきた一族の、これでようやく悲願が果たせるのだ。
「・・・っと・・・。ここが最下層か・・・?おーい左京!どうやらここで終いだぞ!」
先に下りたギルが、地下室の最深部に到達した。
「この下に・・・あるのかな・・・。」
「うん。きっとあるさ。」
「行くよ。」
「うん。」
さっきから身体の震えが止まらない。
身体も、心も瘧のように震えて、背筋が冷たくなっている。
その瞬間に近付くにつれて、踏み出す足が止まりそうになる。
けれど、左京が一緒にいる。
左京の瞳を見つめると、橘花は落ち着いてきた。
「・・・ここか・・・。」
「また行き止まりだがな!」
「扉が・・・ある。」
「どうやって開けるんだ?こりゃ。」
「ん?」
「どうした?左京。」
「いや・・・さっきから・・・音が鳴り止まないんだ・・・。」
「音?なんか音、聞こえるか?」
「・・・ああ。」
それはかすかな地響きの音。
ギルには聞こえなかったが、左京の耳にはずっと響いていた。
左京は、ある一つの仮説を立てていた。
チャールズの像を地下に持ち込んで、最初の扉を開いてから、次の扉は自然に開いた。
そして、階段にも、ここにも、灯してもいないのに灯りがついている。
「・・・ん?どうした?橘花。」
「あ・・・足が震えちゃって・・・。」
「大丈夫か?」
「ちょっとゴメン・・・。つかまらせて・・・。」
「ん・・・。」
橘花の手のひらから、小さな震えが伝わってきた。
抱き締めてやりたい・・・そう思った瞬間、橘花は手を離した。
「・・・ありがと。もう平気。」
「え・・・大丈夫なのか・・・?」
「左京に触れたから。」
「・・・おい、二人とも・・・見ろ!」
「え・・・」
「開いた・・・。」
「・・・やっぱりな。」
またしても、自然に扉が開き、目の前が開けた。
そして、扉が開いた瞬間、辺りは暗闇に包まれ、地響きのような音は消え、静寂が広がっていた。
「・・・やっぱり?」
「ああ。・・・たぶん・・・仕掛けはあれ一つだけだったんだ。チャールズの像を置いたあそこ。」
「どういうこと?」
「あそこにチャールズが立ちさえすれば、あとは自然に進めるように仕掛けられていたんじゃないかな。」
「え・・・?」
「あとは時間差で、次の扉が開いて、灯りがついて、そしてここが開く・・・。」
「でも・・・今までここを見つけた人はいなかったのかな?」
「あの仕掛けがある場所を見つけて、あの場所にチャールズの像を置く、それが一番重要で、最後の関門だったんだよ。ダニエルが乗っても開かなかったろ?他の人が乗ってもおそらく開かないんだよ。・・・ま、チャールズとまったく同じ体格の人なら分からないけど。そう計算されていたんじゃないかな?」
「・・・そっか・・・。」
「・・・さ、入ってみよう。」
「・・・うん。」
「え・・・何ここ・・・。」
「暗い・・・。」
しかし、その場所に足を踏み入れると、
一つずつ
一つずつ
灯りが灯り、
その場所の全貌が明らかになった。
短くてすみません・・・。
キリが悪くなっちゃった。
一緒に謎を解いていく感覚。。
返信削除橘花のドキドキが伝わってきて。。。
楽しい><
もともと遺跡とか好きなんで、
こういう話の展開はたまりません><
左京頼もしいな~
ダニエルも貢献しましたね!泣いて(笑)
次回は全貌が明らかに!
ドキドキして待ってます☆
Naonさん、こんばんは!!
返信削除ダニエル、ちょっぴり活躍してます!!
まさか泣き落としで扉がひらくとは・・・(笑)
一緒にドキドキしてくれてありがとうございます!
左京はね、頭いいので、くるくる回転するんですよ。
それに、橘花を助けてあげたいって思ってるんで、自分のこと以上に考えて、謎を解明してあげていってるんです。
でも、左京よりも圭介パパの方が、実は頭の回転が早いです(^-^)
遺跡、お好きですか!?
ワタシも実は、とてもとても大好きで、遺跡とか古墳とか、古い物を見るとワクワクします!
だからWAのアドベンチャーとか好きなんだな~。
次は解決編です!
お待ちください~(^-^*)/