「お!うまそうじゃん。」
「どうかな?」
「んー・・・。」
「んっ!上出来!うまいよ。」
「そう?よかったー。ワタシ、料理ヘタだから。」
「別にヘタじゃないよ。」
左京は、ただ単に携帯の電源を入れ忘れていただけだった。
別に田吾作のことを嫌っているとか、京子がほんの少し考えたように、逃避行しようとか心中しようとか、そんな気はまったくない。
と、いうか、考えてもいない。
二人の時間に没頭して、今、この時だけは、他のことなどすべて忘れているだけだった。
「橘花、座って。聞いてもらいたいことがあるから。」
「うん。」
空腹を満たし、ようやく人心地ついた。
「寒くない?」
「大丈夫。暖炉、あるし。暖炉のある家って、いいね。」
やっとゆっくり話しが出来る。
ずっとずっと橘花に聞いて貰いたかったこと・・・。
「俺さ、5日後のライブが終わったら、すぐ、ツアーに出なきゃいけないんだ。」
「うん。それは・・・知ってるよ。」
「そしたらもう・・・ツイン・ブルックには戻らないんだ。」
「えっ?なんで?」
「事務所が移転するんだよ。」
「どこっ!?」
「ロス。」
「そう・・・だったんだ・・・。」
「なんでそこで遠い目するわけ?」
「だって・・・離れ離れになっちゃうじゃない・・・。」
「は?何言ってんの?お前。一緒に行くに決まってんだろ?」
「えっ?」
「そんなこと・・・出来るの?」
「来て欲しいのっ。・・・嫌なのか?」
「そんなの・・・一緒にいたいに決まってるじゃない・・・。でも・・・。」
「・・・ん~・・・。」
橘花がうつむいて、表情を曇らせているのを見て、左京は思った。
今まで橘花は、この『でも・・・』の先のことばかりに囚われすぎていたのだ。
「・・・なんかさ・・・お前、考えすぎなんだよな。」
「えっ。だって普通、考えるでしょ?」
「一緒に行きたいの?行きたくないの?」
「・・・行きたいに決まってるじゃない。でも・・・。」
「でも、って言うな!」
「えー・・・。」
それを自分が変えてやらなければならない。
「・・・あっ。そうだ。お前、さっき、なんでもするって言ったな?」
「ん?・・・うん・・・。」
「ゲームしよう。」
「ゲーム?」
「罰ゲーム!」
「えー?どんな?」
「お前、俺が質問することに、全部『Yes』って答えろ。」
「え・・・。」
「大丈夫。『Yes』って答えられるような質問しかしないよ!」
「・・・出来なかったら?」
「『Yes』以外の言葉を言ったら、ペナルティだ。」
「ペナルティは・・なに?」
「セックス1回。・・・ま、俺としてはお前が答えられても答えられなくても損はしないな。」
「そんなの不公平よ。」
「罰なんだからしょうがないだろ?じゃ、いくぞ?スタート。」
「え。ちょっと・・・待って・・・。」
「ダメ。スタート、って言ったろ?もう始まってんだよ。返事は?」
「・・・Yes」
「よし!じゃあ・・・簡単なトコからな。」
「お前、俺のこと好きか?」
「Yes」
「よし。俺のこと捨てないって誓うか?」
「Yes」
「うん・・・。お前・・・可愛いな。」
「・・・Yes」
「返事、ためらうなよ。いいな?」
「・・・。」
「・・・ほら。」
「Yes」
「ん・・・。」
「よし。じゃ、次だ。俺、イケてる?」
「Yes」
「じゃ・・・キスして?」
「ん・・・。」
「あ・・・っ・・・。」
「よし!いいぞ!いっこレベル上げよう!」
「えー。まだ?」
「・・・お前、それ、ペナルティだぞ?」
「う・・・。」
「俺に着いてくる?」
「・・・Yes」
「ためらうなってば!」
「俺は佐土原左京だよな?」
「Yes」
「うん。お前は柑崎橘花。」
「Yes」
「よく出来ました。」
「・・・。」
左京が何を言い出すのか、と橘花はどぎまぎしていた。
焦りと淡い期待・・・それが入り混じって、どんな表情をしたらいいのか分からない。
「お前・・・佐土原橘花になるな?」
「・・・ええーーっ!?」
「ペナルティだ。バカ。これで3回だぞ?」
「う・・・。」
「返事は?」
「だ・・・だって・・・ちょっと待って・・・。」
「4回目。美味しいなぁ。俺。」
「橘花・・・もう一回聞くぞ?」
「佐土原橘花に・・・なってくれ・・・。」
「・・・Yes・・・。」
「橘花・・・。ゲームは終わりだ・・・。」
「愛してる・・・。一生・・・傍にいてくれ・・・。」
「左京・・・。」
左京の声が耳に残る。
この人の隣りに、ずっといたい。
もう夢なんかじゃない。
遠くから見つめているだけの時代は過ぎ去り、懐かしくて甘酸っぱい記憶に変わっていく。
これからは・・・耳元で囁く声を聞き、すぐ間近で笑顔を見て生きていく・・・。
「左京・・・。」
「・・・ん?」
「あのね・・・。」
「なんだ?」
「今夜・・・帰りたくない・・・。朝まで・・・抱き締めてて欲しい・・・。」
「き・・・橘花・・・。」
「ダメ?」
「ダメなんかじゃ・・・ないさ・・・。」
「ペナルティ・・・払うから。」
「・・・む・・・4回・・・か・・・。」
「ワタシは大丈夫よ?」
「う・・・。」
「ワタシが・・・してあげようか?」
「ん・・・いや・・・。」
「や・・・やってやるさ!!」
「ん・・・。」
抱き合って、繋がって、そのまま眠りたい・・・。
虫の声だけが響く、静かなこの場所で、この世界には左京と自分、二人きりしかいないような、そんな錯覚にさえ落ちていくようだった。
ずーっと左京と橘花ばっかり。ずーっと同じ場所・・・。
変化のない場面でゴメンねぇ・・・。
『Four times Fun』というのは、ホントは『Fun×4』って書きます。
大滝詠一です。青春の1ページですなぁ。流行ったなぁ。
♪だん びどぅ~びどぅ~び どぅびどぅびだんだん♪・・・という歌です(^_^;)ゝ
んふふ~♪yuzuさんこんにちは!
返信削除少子化対策効果ばっちりですね!
もうず~~っとこういうシチュエーションでもいいぐらいですよw
左京はぐいぐいと引っ張って行ってくれますね~
こう、、かゆい所に手が届く。
もうずっとラブラブしててくださいw
あ!動画も見ましたよ、左京ええ声や~~~
ああいう低い声って良いですよね~~~♪ウットリ
それから!ぎんちゃんとiphoneもみちゃった。
かわゆいの~、アメショはかわゆいの~。
肉球でぐいぐいピアノの鍵盤押してましたねw
うちのアメショは4月でもう13歳になるけど
暖かくなってきたのでこの前ネコと犬をリードつけて
公園に散歩にいってきました~~~~w
にゃっはっはっはっは
この間の通りすがりの人さん、こんばんはー!!
返信削除はははっ。少子化対策に一役買ってますかね?
これ見て、彼氏や旦那様といちゃついてくれると嬉しいですね~(^-^*)
左京、自分が引っ張んなきゃダメだ!って気付いたみたいです。
ちょっと強引っていうか、ジコチューな感じになっちゃってるけので、こういう、『お前は俺の女!!』みたいなのが苦手な人は、嫌だろうなぁ、って思うんですけど。
でも、橘花はそれを望んでるので、この二人はうまくいってます(≧ω≦)b
あっ!ぽんぱしぇ~な~・・・見ましたかっ!?
左京、あんな低い声です。
二代目なんで、ワタシが設定した声じゃないんですよね~。
以蔵は違う声だったし・・・。
橘花が歌がうまいのにはホントびっくりしました!
そしてぎんちゃんまで・・・(^_^;)ゝ
にゃんこの肉球で、iPhoneのタッチパネルが反応することに驚きましてですね~。
むりやり弾かせてみました。
通りすがりさんとこのにゃんこは、リードでお散歩出来るんですね~。いいなぁ。
ぎんちゃん、まだ活発なので、外に連れてったら、飛び回りそうです・・・。
しかし、ホント、やっと暖かくなってきましたね♪
そろそろ桜かな~。