どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

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主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

月曜日, 3月 14, 2011

White or Black?

「ね、橘花。明日、ヒマ?」
「うん。特になんにもないよ?」

「じゃあさー・・・ドレス選ぶの、つきあって!」
「あ、いいよ。・・・いよいよだね。」

週末の夜、ロッタは橘花を誘った。
「うん!ギルがね~俺は分かんないから、橘花と一緒に行ってこいって。」
「そっかぁ・・・。男の人は、『なんでもいい』って言うもんね。」

「でもね~うんと可愛いの選んで来いって!」

「ロッタは何着ても似合うもんね~。」
「そうかな?」

ギルとロッタの結婚式に出席して、それからここを離れよう、と橘花は決めた。
その前に家を出てしまえば、二人に迷惑がかかるかもしれない。
だから、二人の結婚式を見届けてから・・・とそう思っていた。

「あれ?橘花・・・出掛けるの?」
「あ、うん。」

左京が曲の打ち込みをしていると、橘花が出掛ける様子だったので、思わず呼び止めた。
「どこ行くの?一緒に行っていい?」
「ううん。ロッタと一緒だから。」

「じゃ、送って行こうか?」
「ううん。近くだし。・・・左京、仕事は?」

「もうちょっとしたら行くけどさー・・・。気をつけて行けよ。」
「うん。」

左京はこうやって、毎日のようにどこかに行こう、一緒に行こうと誘ってくる。
今日のように、本当に用事がある時はいいのだが、なにもない時に誘われると、どうにも返事に窮する。

『左京の気持ちは分かるんだけど・・・。』
「ね、橘花。何着か試着するから、見てね!」

「うん。どれでも似合うと思うけどね。」
「それじゃダメなんだってば~。」

ロッタのドレス姿を見て、こんな重苦しい気分は忘れたい、と思った。

「よっ、左京。ちょっと聞いていいか?」
「ん?なに?」

「(・・・またコイツ、暗い顔、してんなぁ・・・)あのさ、結婚式の時のタキシードって、白と黒、どっちがいいんだ?」
「タキシード?う~ん・・・どっちでもいいんじゃないか?」

「お前、どっちだった?」
「・・・さぁ・・・。忘れたな。20年も前のことだし・・・。」
『あ・・・ヤベ・・・この話題、マズかったか・・・。余計、辛気臭い顔になりやがった・・・。』

「ん~・・・ロッタがさ、今日、ドレス選びに行ってんだけどよ。ほら、男ってのは花嫁の添え物だろ?どっちが花嫁が引き立つのかと思って。」
「ドレス選び?・・・橘花と?」

「ああ!俺、行ったって分からんし、女同士で行ってこい、って言ってさ。」
「あ・・・そうだったのか・・・。」

「なに?」
「いや・・・橘花、出掛けるみたいだったんで、一緒に行こうか?って言ったら断られちゃってさ。そういうことなら、俺がついてっても邪魔なだけだったんだな。」
「なんだ!(・・・そんなことで落ち込んでんのかよ・・・こいつ・・・。)」

「・・・で、どっちがいいと思う?」
「そうだなぁ・・・俺もそういうの、疎くってさぁ・・・。黒がいいかなぁ。」
「あ!やっぱり?ん~じゃ、やっぱり黒にするかな?」

「なんだよ!もう決めてんじゃねぇか!」
「いや、こういうのは他のヤツの意見が大事だからよ。サンキュ、左京。」

↑この二人・・・なぜいつもバスルームで会話を・・・
式に向けて、着々と準備が進んでいる。
そんな二人が、心底羨ましかった。

「さぁ~てっと!・・・あれ?スケさん?」

スケ三郎が、いつの間にかスタイリストになっていた。
結婚したので、定職に就きたかったのだろうか・・・。
「ん~・・・どんなのがいいかなぁ。」
「シンプル?ゴージャス?」

「これとか?ロッタ、スタイルいいから、身体の線が出る方がいいかな?」
「まぁまぁかなー。」

「可愛いけどぉ・・・」

「次、いってみよう!」
「ふふっ。せっかくだから、いっぱい試着しなきゃね!」

「じゃ、これは?」
「うーん・・・。」

「シンプルすぎてあんまり好きくないかもー。」
「やっぱゴージャス系がいいね。」

「これは?」
「あ。可愛い。」

「可愛いけどぉ~・・・もう一声・・・かな?」
「似合ってるよ?」

「じゃ・・・これは・・・?」
「あ・・・。」

「これだぁっ!!」
「あ。ぴったり。」

「ロッタ、すっごくキレイ!!これにしなよー。」
「うん!いいね!」

・・・と、ロッタが着るドレスは決まったのだったが・・・
「・・・ね、橘花も着てみなよー。」
「わ・・・ワタシ!?え・・・イヤよぉ!」

「ドレスなんて似合わないし!」
「ウェディング・ドレスが似合わない女の子なんていないよぉ。」
「え・・・でも・・・。」

「いいから、ほらっ!」
「うー・・・絶対似合わないのに・・・。」

「ん~・・・橘花はヒラヒラ系かなぁ。髪下ろして~。」
「・・・俎板の上の鯉とはこういうことね・・・。」

「こんなの!どう?」
「げっ・・・誰!?」

「似合うって!橘花、髪下ろしたら大人っぽーい!!」
「に・・・似合う・・・?」
「サイコーっ!!」


「・・・っと。ボーっとしてたら時間過ぎてた・・・。ま、俺が行かなきゃ、リハも始まらないけど・・・。」

スタジオに向かって、猛ダッシュする左京だったが、
「・・・ん?」

「・・・なんか、今・・・。」

「非常に気になるものが目に入ったぞ・・・。」

サロンの前を通り過ぎようとした時、ちらっと見えた店内に、何かとても気になる光景が映り、足を止めた。
「・・・なんだ・・・?」

「あれは・・・ロッタちゃん・・・と・・・橘花・・・?」

左京はサロンの窓辺にふらふらと近付いて、ドレス姿の二人を確認した。
ロッタが衣裳を選びに行っていると、さっきギルから聞いたばかりだったが、ロッタのみならず、橘花まで・・・ドレスを身に纏っている。
「あ・・・こっち来る・・・。」

どういう状況なのかは分からない。
だが、二人が窓辺に近付いてくるのを見て、左京は思わず植え込みの陰に身を隠した。

「橘花、それ似合うしー。」
「ワタシが似合ったってしょうがないじゃん!」

「キレイなんだもん。ビックリしちゃった!」
「えー。ロッタの方がキレイだよぉ。」
「ねー橘花も結婚しなよ!」
「え・・・。なに言ってんのよ!」
「1日無料レンタルしてくれるんだってよ?着て帰っちゃえば?」
「まさか!」

「いいじゃん!そのまんま結婚しちゃえば!」←無責任w
『・・・ワタシ・・・結婚なんて・・・。』

おそらく、一生しないだろう、と言いたかった。
・・・左京以外の人とは。

「キレイ・・・だ・・・。」

                                          ↑アヤシイぞ・・・左京・・・
「なんてキレイなんだ・・・。」

「・・・へへ。」

「う・・・なんか鼻の奥が熱くなってきた・・・。」

「・・・タキシードはやっぱ・・・黒だな!」

橘花があの姿で、ゆっくりとバージン・ロードを歩み、自分に一歩ずつ近付いてくるのを想像すると、胸が高鳴った。

「・・・っと、遅刻、遅刻っ!」

あの姿を目に焼き付けて、ラブ・ソングを歌おう。そんなことを考えていた。







おまけその1

ちなみに、白でした。

20年前の左京。なんか子供っぽい。


おまけその2

ウェディング・ドレスを着て、自転車で疾走する女・柑崎橘花。

「きゃっほーーーっ!!」

↑このドレス、よく出来てるなぁ・・・。純白じゃないのが惜しいけど・・・
なんか、映画のワンシーンのようで、Good!(≧∇≦)b

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