どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

水曜日, 3月 09, 2011

春待草の咲く頃に

「さて・・・私は戻るとします。」
「ああ。帰れ、帰れ。お前のことからかってると面白いけど、寝不足になってかなわないよ!」
「う・・・圭介さん・・・ひどい・・・。帰りますよ。帰ればいいんでしょ。」

夜明けまで語り明かし、ほんの少し眠っただけだったが、二人とも頭はすっきりしていた。
ただ、チャールズの墓を発見した瞬間の興奮からは、ほんの少し落ち着いていた。
「あ・・・エリック。一つだけ・・・。お前に頼みごとなんかしたくないけど、頼みがある。」
「・・・その言い方、勘弁してくださいよ・・・。」
「だって、ホントにしたくないんだもん。」
「・・・なんですか?私が聞ける話なら・・・。」

「この話・・・僕に預けてくれないか?」
「は?」
「クレメンタイン家の話し!本にしたいんだ。・・・ま、すべて事実じゃなくって、フィクションは混ぜるけど。」
「それは・・・。しかし・・・事業団のメンバーにも諮ってみないと・・・。」
「うん。けど、このことを世間に知らせたいんだ。それが、チャールズやクリスやアーネストの供養になると思わないか?」

「そうですね・・・。」
「ま、悪いようにはしないからさ!実は、20年前からずっと考えててさ。やっと決着がついたから、完成出来そうなんだ!草稿が出来たらまず、事業団のメンツに読んでもらって、そこでOKを出されるまでは出版しないから。」
「はい。・・・うん。おそらく・・・皆もそれを望むかもしれない。」
「いい返事を期待してるよ!」

エリックがカスケード・ショアーズを訪ねてきて、クレメンタイン家にまつわる話を聞かされた時から、圭介はずっと、その話を記録していた。
エリックから聞いた話と、アーネスト・エヴァンスの日記を元に、完全なフィクション仕立てで話を作ることも可能だったが、圭介は真の結末が知りたいが為に、それをしなかった。
今、ようやく橘花がすべての謎を解き、真実が明らかになった。
しかし、それを淡々と綴るだけでは物足りない。
過去に生きた人間、今を生きる人間の絡みを交え、ツイン・ブルックの歴史を、クレメンタイン家の悲劇を形にしたい、と構想を練り上げていたのだ。

「あれ?エリック、帰るんですか?」
「ああ!左京!」

「橘花はまだ寝てるのかな?」
「ああ・・・たぶん。ずいぶん疲れてたみたいだし・・・。」

橘花の様子を見に行こうとしていた左京だったが、エリックが暇乞いをしようとしているところに来合わせて、足を止めた。
「僕なんかコイツに付き合わされて、寝不足だよ!」
「何の話をしてたんですか?」

「いろいろとな。後でゆっくり話して聞かせるよ。ま、君もずいぶん橘花を助けてくれた。ありがとう。」
「いや・・・俺、何もしてませんよ。」

「そんなことないさ!君は橘花を気遣ってくれてたし、橘花も君を頼りにしてたよ。」
「え・・・。」
「これで橘花も安心しただろう。普通の平穏な生活に戻れるさ!」

平穏な生活・・・そこに戻れるのだろうか、と左京は思っていた。
これからは過去の呪縛から解放された、橘花自身の未来が待っている。
そんな橘花の周辺に自分は波風を立てようとしているのだ。
「これからも橘花を助けてやってくれな。なにしろあいつは、君の言うことならなんでも聞くからな!」
「はぁ・・・。」

圭介の言葉に、いちいちドキッとさせられる。
圭介自身はそんな左京の内心の焦りなどに気付いていない。
「圭介さん、橘花ちゃんに伝えてください。」
「何を?」
「私の嫁になる気になったらいつでも訪ねてきて・・・。」
「エリック・・・まだそんなこと言うか、貴様。」

「・・・冗談です・・・。」

                          ↑左京・・・コワイから・・・。
「・・・それは冗談として・・・遺産の使い道が決まったら・・・いや、その前にでも一度顔を出して欲しい。なにしろあの子は、我々が待ち望んでいた、クレメンタイン家の直系なんですから!!」
「直系だかなんだか知らんが、橘花には、自分のことは自分で考えさせる。でも、だからって橘花を責めるなよ?」
「・・・それって、橘花ちゃんが我々の思い通りにはならないって言ってるようなもんじゃないですか・・・。」
「その通り!」

「なぁ?左京もそう思うだろ?」
「その通りですね。」

「な!」
「はい。」

「・・・なんですかなんですか・・・二人、ずいぶん仲がいいんですね。同じ中年組なんだから、仲間はずれにしないでください・・・。」
「お前なー・・・僕はともかく、左京は若いの!」
「はは。いや、俺も立派な中年ですよ。」

「ま、ともかく、お前はもう橘花の尻を追っかけ回すのはやめて、事業団の仕事に精を出すんだな。」
「ええ。ですが、橘花ちゃんが・・・。」
「うるさい!帰れ!」

中年三人組が戯れているのをよそに、

報われない二人組は・・・
「・・・なぁ、宗太よ。」
「なに?」
「お前・・・こないだ言ってたろ?左京と橘花が・・・。」
「・・・うん。」

「俺・・・昨日、あの地下で、左京と橘花が抱き合ってるの見たんだけど・・・。」
「うん。ボクも・・・。」
「ありゃーどう見ても友達、って感じのハグじゃなかった・・・。」

「も・・・だから言ったじゃないか!冗談だと思ってたんだろ!?」
「う・・・悪かった・・・。」

「・・・けどよ・・・。あの二人、もう出来上がってんのかな?」
「そんなの知らないよ!!」

「・・・しかし左京のヤツ・・・。」

「・・・許せん・・・。俺には、恋愛なんかもうしないって言ってたくせに・・・。」
「お父さんだって男なんだよっ!!橘花さんの魅力に気付けば、好きになるに決まってるじゃないか!!」

↑どんだけ橘花好きなんだ・・・お前・・・
「しかし、娘ほども年が離れてるんだぜ?俺だったら20以上も年が離れた女なんか・・・。」
「ダニエルさんの20下だったら幼女じゃないかっ!!犯罪だよっ!!」
「・・・そっか・・・。」

「う~・・・しかし、ますます許せんっ!!あいつ、俺たちの気持ち知ってるくせに!!」
「そこだよ。」


『・・・なんなんだこいつら・・・不毛な会話してやがる・・・。そんなんだからお前ら、左京に横取りされるんだよ。』

今やギルは、完全に左京の味方だった。
以前はこの二人の、橘花を巡る恋の鞘当をほくそ笑みながら眺めていたが、牽制し合うばかりで行動が遅すぎる。
しかも、ライバルのくせに、仲が良すぎる。
そんなお遊びみたいな恋心では、左京に敵うはずがない。

「しかし・・・左京のヤツ、許せん!!」
「・・・さっきもそれ聞いた。・・・まだ決まったわけじゃないけど・・・。」

「決まってるに決まってる!!」
「・・・そうなのかな・・・。」

橘花から、或いは左京から本当のことを聞くまでは、まだ望みがあるのではないか、と宗太は思っていた。
そうでも考えなければ、やりきれない。
「・・・あ!そうだ!!俺、左京に一服盛ってやろうか?こないだ病院で開発したクスリ、すげーんだぜっ!!」
「えっ・・・。」

「不眠症の患者用のクスリなんだけどさ!こう・・・なにやっててもふらふら~・・・って眠くなる・・・。」
「・・・なんで睡眠薬ばっかり開発してんだよ・・・。」

「ちょっと効き目が強すぎて、三日くらい目が覚めないのが難点なんだけどよ。」
「それさー・・・入院患者とかならともかく・・・もし知らないで飲んで、運転してる時に効き目が現れたりしたらどうすんだよ・・・。」

「・・・あっ。そっか・・・。」
「そんな変なことしないでよ!!」

「まー・・・けど、こういうのは直接聞いてみるのが手っ取り早いやな。」
「う・・・ボク・・・聞けないよ・・・。」
「俺が聞いてやる!そんで、事と次第によってはガツン!・・・と一発かましてやるさ!!」

そう意気込んだダニエルだった。

数日経ち・・・
橘花は再び、ノミと槌を手にしていた。

しばらく道具に触っておらず、すぐに感覚を取り戻すのは難しいだろう、と思っていたのだが・・・
「・・・うん。身体が覚えこんだことって・・・そうそう忘れないもんなんだな・・・。」

彫り始めると、カンが戻ってきた。
しかも以前のように、『作らされている』という焦燥感や圧迫感のようなものもなかった。
才能を受け継いだ云々ではなく、橘花は自分の手で何かを生み出すことに喜びを感じていた。

「ねー・・・橘花。」
「ん?」

「ロッタ。なーに?」
「うん・・・あのね・・・。」

「あたしねー・・・橘花に謝らなくっちゃいけないことがあるの。」
「え?なに?なんで?」

「えーっとねー・・・んーっとねー・・・。」
「・・・ここ散らかってるから、向こう行こ?」
「んー・・・。」

「・・・ゴメン。」
「なーに?」
「なんか・・・忘れちゃったけど、ゴメンね?」
「いいよ!忘れちゃうくらいなら、たいしたことじゃないんだよ。きっと。」

ロッタは、今までのいろいろなことを、橘花に謝ろうと思っていた。
自分の軽はずみな言動で、左京とのキスのことを宗太に知られてしまったことや、それを知っていながら、左京を誘ってみたりしたこと。
そんな小さなことの一つ一つを謝ろうと思ったのだが、言葉が出てこない。

「もういいよ。らしくないなぁ。」
「うん・・・。あたしね・・・もっとちゃんとしなきゃなの。」

「どうして?どうしたの?」
「うん・・・あのね・・・。」
「うん?」

「・・・ギルと、結婚するんだぁ。」
「えっ!?」

「うっそ!!やったじゃん!!おめでとう!!」
「ありがとー!」

「すごい!すごーいっ!!」
「えへ。橘花のお墓探しが終わったらね、式挙げようってギルが言ってくれてたの。」

「いつ?」
「春になったら!!」
「そっか・・・。よかったね。ロッタ。」
「うん!」

春になったら・・・それまで自分はここにいるだろうか・・・?
ギルとロッタの結婚式には参加したい。
けれど・・・。

橘花の心は揺れていた。







今日でブログ開設1周年なわけですよ。
よく続くなぁ。参ったね、こりゃ(^_^;)ゝ

8 件のコメント:

  1. こんばんわ~♪

    ブログ、開設1周年おめでとうございます!!!
    乾杯せねば、乾杯♪
    やんややんやですね!もう♪

    私もそうですが、続けるって大変ですよね。
    うん、私達はえらい!
    おたがい、頑張りましょうね(TT)

    物語はやはり橘花がどこかへ行こうとしてますね…。
    けど大丈夫!左京が黙って見てはいない…はず!
    と、思ってます♪

    途中で左京がエリックを睨んでましたね(笑)
    本当に怖かった!
    「てめーそれ以上言ってみろ?あ?」てな感じでした(笑)

    そしてダニエル。一服盛るのはヤバイって。
    と言うか、宗太とダニエルが何気におかしい♪
    真剣なんだろうけど、どこか弱いですよね。
    ギルじゃないけどやっぱり左京には適わないな…
    でもなんだか笑っちゃいます(笑)

    これからも頑張って下さいね!
    ずっと応援してます!

    返信削除
  2. まことんさん、こんばんは!

    もう1年?やっと1年?どっちか分かりませんけど、よく続いてるなぁ。うん。うん。
    そうそう!
    ワタシ達はエライ!!(笑)
    カンパーイ(*゚▽゚)/゚・:*【祝】*:・゚\(゚▽゚*)
    これからも一緒に頑張りましょうね♪

    左京、コワイでしょ~(^-^;)ゝ
    「俺の橘花に何言ってんだ!?ぶん殴るぞっ!!」・・・って感じです・・・。
    冗談でもそんなこと口にしたら、次はホントに殴られるぞ。エリック。

    ダニエルと宗太は、本当に仲良すぎるんですよね~。
    橘花を取り合うライバル同士のはずなのに、どうやって橘花を振り向かせるのかを、二人で話し合っちゃって、楽しんじゃってる。
    そんなんじゃ、いつまで経っても橘花は振り向かないって。
    なんか、お笑いコンビみたいになっちゃってるし(笑)
    たぶん、ダニエルが面白すぎるんですよ。
    ダニエル・・・病院で何やってんだか・・・。

    さてさて。
    左京がどんな風に橘花を引き止めるのか・・・ちょっとコワイかも。
    まだその辺りはスクショを撮ってないんですけど、シナリオは上がってます。

    これからも、本当にお互い頑張りましょうね!!
    応援、ありがとう(*^・^)/

    返信削除
  3. yuzuさん、
    ブログ開設1周年おめでとうございます☆
    パチパチ~
    本当にいつもありがとうございますm(__)m
    私のシムズライフは周りにこのゲームを知っている人がいなかったので孤独だったんですが^^;
    まことんさんに出会い、そしてyuzuさんに出会い、
    色んな人に出会って今はすごく楽しいです♪
    これからも無理のないように頑張ってください!
    楽しみにしてます^^

    さて圭介パパ、なんでもお見通しなのに、
    娘のことだけは何も気づいてないんですね~^^
    左京があんな顔でエリックのこと睨んでたら、
    気付きそうなものなのに(笑)

    返信削除
  4. Naonさん、こんばんは!

    ありがとうございます!
    皆さんのおかげで、こうやって続けることが出来るんです!!
    本当に感謝してます(*^-^)人

    ワタシの周りにも、シムズをやってる人はいないんです。
    でも、すっごく面白い、シムズのレビューにたまたま出会って、やってみようかな~・・・と。
    やり始めたら面白くって、ハマってしまいました(^-^)

    これからも頑張りますよ~♪
    ありがとうございます!

    圭介、なんでホントに気付かないんだ・・・って感じですよね(^_^;)ゝ
    でも、近すぎて分からないこともあるし、左京がうまく隠してるんですよ。
    左京は、普段の顔と、ミュージシャンとしての顔と、橘花と一緒にいる時の顔、ちゃんと使い分けてるんです。
    でも、それがだんだん崩れてきます。
    橘花と一緒にいる時の左京が、本当の左京の顔です。

    でもでも~。
    次回、圭介が気付きます。
    いいタイミングでコメントいただいちゃったな♪

    返信削除
  5. この間の通りすがりの人2011年3月10日 9:21

    おめでとうございまするぅ~~~~~
    パチパチ、ドンドンパフパフー
    パーティマニアのイエーイ!のコマンド発動です。

    ささ、キーライムパイも七面鳥も秋のサラダもありますよ、
    好きなの選んでくださいね。

    ひや~ほんと凄いですね一周年?
    なんか最近ほんと、シムズコミュニティが活性化してきましたね、
    私もずっと一人でやってましたけど、ふとせっかくオンラインだから
    同じシムズを通して友達になれないものかと思ったことがあります。

    シムズがオンライン化したら凄いんだろうけど
    それはそれで大変かもしれませんね。
    こうやって自分の時間に合わせてのんびり、まったりプレイしたり
    人様のお話を読ませて頂いたり出来るのが一番幸せかも!

    さっきょんのきっかちゃんに対するラブコールが見ていて凄い伝わってきます。
    はやく一緒になりたいよ~って心の声が聞こえてきますw

    返信削除
  6. yuzu様、サイト開設一周年おめでとうございます(ぱちぱちぱち)

    こちらのサイトに初めてお邪魔したのはちょうどユリアさんの「積木くずし」の頃でしたね ゲームの中の出来事とはいえ妙にリアルなお話にうなずいたり驚いたりしましたね

    これからもyuzu様のサイトでハラハラどきどきさせていただきます ♡

    返信削除
  7. この間の通りすがりの人さん、こんばんは!

    うふ~♪ありがとうございます!!
    ここは一つ、神々の食事でもいただいて、若返りましょうかね・・・ふふふふ・・・。

    いや~・・・いつの間にか1年経っちゃってました(^_^;)ゝ
    確か去年の3月くらいだったはず・・・とふと思って、確認してみたら、昨日だったわけですよー。
    記念に何かやろうかなー・・・とか思ったんですが、(配布とか・・・)案外準備期間がなかったんで、やめました。

    シムズ3のレビューサイト、増えてきましたね~!
    最初の頃は、人様のブログで、いったいどれほど勉強したことか!
    ここは、単なる生活記録とか、ストーリーをやってるので、たいしてお役立ち記事もないのですが、ホント、他の方が作ってるストーリーを読むのって、幸せです♪

    さっきょんはちょっと焦り気味ですб(^_^;)
    だんだん悶々としてきますので・・・。

    お祝い、ありがとうございました!!

    返信削除
  8. 片岡潤さん、こんばんは!

    ありがとうございます!!
    ここまで頑張ってこれたのは、ホントに皆様のおかげです。゜゜(´□`。)°゜。

    ユリアさんの「積木くずし」・・・懐かしい・・・。
    ちょっと出来心で、親子仲違いさせてしまったんですが、ユリアさん、本当に可哀想でした。
    生きてるうちに、以蔵と仲直りさせてあげたかったのですが、死神に連れ去られてしまって・・・。
    それも運命、ってことでしょうか。
    ゲームなのに、本当にリアルでした。

    でも、その分、今、左京が頑張ってくれてます!
    佐土原家の血筋を絶やしちゃいけませんのでね(^-^)

    ぜひ、ハラハラドキドキしてくださいませ♪
    頑張ります!

    どうもありがとうございました!!

    返信削除