「あ~腹減ったなぁ。」
おや。ダニエル。また作るんですか?
「そうそう失敗することもないだろ!三度目の正直って言うしな!」
二度あることは三度ある、とも言いますよ。
「生地もうまく出来たし・・・よし!焼くぞ!」
ドキドキ・・・
「・・・ん?」
「うわぁーーーったったった!!ごーほごほっ!!」
「・・・また失敗した・・・。」
やっぱり・・・。
「なんで焦げるんだーーーっっ!!!」
「・・・ふっ・・・。」
「・・・橘花が作ったヤツ残ってた。」
・・・ダニエル・・・お前の辞書には『学習』の二文字はないのか?
「ふわぁ~・・・。ワッフル作ってたらもうこんな時間じゃん。明日も仕事だし・・・寝よ。」
食洗機は壊さなかったようです。
ちょっとは学習してるらしい。
「んん~・・・ゴミ・・・。」
焦げ臭いので夢見が悪い橘花。
翌朝、ダニエルが仕事に出掛けた後、起きだしてきた橘花ですが・・・
「あ~・・・なんかヤな夢見てたような気がする・・・。」
「・・・やっぱり!これのせいか・・・。焦げ臭いと思ったんだよなー。勿体無い・・・。」
キッチンに放置されていた黒焦げワッフル。
でも、勿体無いので食べることにしました。
「焦げてるけど・・・食べられないってほどじゃないじゃない!しまっといて、ダニエルに責任取らせよう。」
早く、料理が得意な同居人が増えないものか・・・と頭を悩ます橘花でしたが、そこへ電話が・・・。
「はい。もしもし?・・・はい。ワタシは柑崎橘花ですけど・・・。・・・え?」
「え?さ・・・左京・・・さん?えっとー・・・は?今から?今から・・・なんですか?」
なんとそれは、左京からの電話でした。
信じられないことですが、今から家を見に行くから、と橘花に家の場所を尋ね、電話は切れました。
「左京・・・?なんで?本物?ワタシ・・・夢見てるの・・・?」
夢かもしれません。
そう言えば、ダニエルが妙なことを言っていたのを思い出します。
ダニエルのいたずらかも?と思いましたが・・・
「でも・・・左京の声だった・・・。」
ずっと追っかけてきて、いつも聞いている左京の声なんです。
聞き間違いようがありません。
ぴんぽーん。
「・・・誰か来た。・・・左京?」
「出てみれば本物かどうか分かるんだから!」
意を決して玄関に向かう橘花。
扉の向こうには・・・
憧れて止まない左京の姿がありました。
「やぁ!橘花ちゃん、こんにちは!お言葉に甘えて、見に来たよ!」
「こ・・・こんにちは・・・。お言葉に甘えて・・・?」
「入っていいかな?」
「ど・・・どうぞ・・・。」
長いのでいったん切りますー。
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