4人暮らしの始まり

「宗太！遅かったじゃないか！どこ行ってたんだ？」

学校がすぐ側なので、早くここに来るだろうと思っていた左京。
やきもきして待っていました。
「お父さん、ゴメンね。橘花さんと学校の前でばったり会ってさ。いろいろ話し、聞かせてもらってたんだ。」
「橘花ちゃんと？」

「うん。橘花さんね、彫刻やってるんだって！教えてもらおうと思って。」
「そうかぁ。橘花ちゃんと一緒だったんなら、心配要らないな。」
「うん。」

半分本当で半分ウソ。
別に、左京を騙そうという訳ではなく、心配かけたくなかっただけです。

「今日はもう遅いから、ゆっくり休んで、今度の休みに必要なものでも買い揃えに行こう！」
「うん。ボクたちの部屋は？」

「二階だよ。」

「さ、ここだ。とりあえずベッドだけは入れてもらったから。」

こうして、左京と宗太の引越し初日は終わりました。

翌朝です。
ぐっすり眠れた左京は上機嫌です。
「橘花ちゃん、おはよう！」
「おはようございます。」
「やっぱりホテルと違って落ち着くや。よく眠れたよ。」

「ホントですか？よかった。」

平気そうな顔してますが、橘花、内心ドキドキしています。
左京がパンツ1枚じゃなかったし、寝起きの眼鏡を外した顔も、いつも通り・・・いえ、いつも以上にカッコよくて、イメージを壊すどころか、ますます好きになってしまいました。

「ところでさ、橘花ちゃん、お願いがあるんだけど・・・。」
「橘花、でいいですよ。なんですか？」

「裏の庭なんだけど・・・。」
「ん？」

と、そこへダニエルが起きてきました。
「橘花！おはよー！今日は早いじゃん。なんで？」

・・・ここで、左京とダニエルが同じシャツであることに気付いた為、左京のシャツをチェンジ（暫定）。
「昨日、早く寝たから早く目が覚めただけ。」
「ふーん。」

ダニエルに邪魔されてしまいましたので、話しは中断。
ダニエルは仕事へ行き、左京も出掛けてしまいました。

「あー、そうだ。昨日拾ったスクラップでなんか作ろう。」

金属の彫刻にチャレンジした橘花でしたが、
「あっちーーーっ！！」

初めて使ったバーナーの扱いを間違えて、やけどしてしまいました。
「あ・・・危ない・・・。・・・ん？焦げ臭い・・・？」

「ぎゃーーーっ！！シャワー、シャワー！！」

「・・・なるほど・・・ここになぜかシャワーがあるのは、こういうわけか・・・。」

危ない目にあったので、ちょっと創作意欲が削がれてしまいました。

「ちょっと休憩。テレビでも見ようっと。」

少し休んでいたら、だいぶ落ち着いてきました。
「うん！たまには失敗する事だってあるよね。大丈夫、大丈夫。」

自分に言い聞かせて、再度チャレンジします。

「ん。いい調子！」

何が出来るんでしょうね？




部屋の中に忽然とシャワーを置いたのは、発明が危険だと聞いていた為です。
すぐ側にバスルームもあるんだけど、備えあれば憂いなし、ってヤツですよ！
まだ発明スキルは覚えてないんだけど、彫刻してても、失敗して燃えることがあるとは・・・。

ここ数日、あれこれと忙しかったんですが、ちょっと遅めの夏休みに入るので、頑張りまーす(^-^;)