マルゴさんが家を出てしまってからの佐土原家は、重苦しい空気に包まれてました。
『左京・・・。』
マルゴさんが作った黒焦げのワッフルを食べて、心を傷める左京。
「マルゴのワッフル・・・もう、食べられないのか・・・。」
「子供置いて出て行くなんて・・・よっぽど追い詰められてたのね・・・。」
「儀助・・・ゴメンね・・・。」
「ねぇ、以蔵・・・ワタシたちが・・・悪かったのかしら・・・?」
「ヒイナ・・・そうかもしれない・・・。」
以蔵もヒイナさんも、もちろん左京も、マルゴさんがいなくなってムードが下がりっぱなしなんですが、それより、可哀想なことに、儀助や宗太まで、両親の離婚の痛手でムードが下がってしまって・・・。
特に、まだ乳飲み子の宗太は、自分でムードを上げる術もなく、ほかの欲求が下がらないように世話をしてあげるのが精一杯。
「・・・切ないな・・・。」
「やぁ!ヒイナさん。どうしたんです?あなたがそんな顔するなんて、珍しいな。」
「ハンクさん。」
「辛いことがあってもさ、こうやってブランコ漕いでたら、なんか目の前がぱぁーーっと開けて、楽しくなってきますよ。」
「ふふっ。ワタシもやってみようかな。」
「そうそう!きゃっほーーっ!ほら!空が真っ青だ!美しいなぁ!この世界は!!」
「ホント。キレイな空だわ。カメラ、持ってくればよかった。」
ハンクさん・・・あんた・・・いい人だなぁ・・・。゜゜(´□`。)°゜。
「左京・・・子供たちのことは心配するな。俺もヒイナもまだまだ元気だから、儀助や宗太の面倒くらい見れるさ。」
「父さん・・・。」
「まだまだ覚えなきゃいけないこともたくさんあるしな。なっ、儀助。」
「?」
「そうだな!俺だってまだ若いんだし、ま、結婚はしばらく考えられないけど・・・チビたちを育てなきゃな!」
「その通りだよ。」
「人生なんていろいろあるさ。そのうちいいことも巡ってくるさ。」
きっとそうですね。
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