「誰だ?そこらへんの浮遊霊が紛れ込んできたか?ロッタに退治して・・・。」
「いや・・・待て・・・こいつぁひょっとして・・・。」
ギルが朝目覚めると、チャールズの霊がそこに座っていた。
朝・・・といってもまだ夜も明けきらぬ時間・・・。
「誰かに・・・いや、こんな時間じゃ、まだ誰も起きてない・・・。」
チャールズの霊はしばらくそこに居たが・・・夜が明けるとやがて消えた。
「お!左京!!起きてたか!ちょっと聞いてくれ!」
「ん?」
「・・・ん?顔色悪いぞ?お前・・・。」
「うん・・・。あんま寝てなくて・・・。」
「大丈夫か?」
「ああ・・・。で?何?」
「・・・ああ!俺、見たぞ!!」
左京は昨夜、橘花の部屋に忍んで行こうとして、チャールズの霊に会い、驚いて引き返したのだった。
それであまり眠れていない。
頭がぼんやりする。
「見た?なに?」
「あいつだよ!チャールズ・クレメンタイン!!」
「え・・・。」
「チャールズの幽霊だ!」
「あ・・・俺も昨夜・・・見た。」
「どこで?」
「えっと・・・橘花の部屋の・・・前。」
「(・・・こいつ、夜這いしようとしてたな・・・)俺もだ。テレビの前の椅子に座ってた。」
「やっぱり・・・。俺、幻覚じゃないかと思ってたんだけど・・・。」
「いや、確かにいた。あいつの霊が出るってことは・・・。」
「・・・墓はこの家のどこかにある・・・。」
「・・・ということだ。」
「ギル、橘花に教えてやってくれ。あいつ、ヒントを欲しがってた。」
「いや。お前が教えてやれ。」
「え・・・。俺が?」
ついでにちゃんと橘花を抱き締めて来い、とギルは言いたかった。
左京と橘花の仲が、今どんな状態にあるのかは知らないが、これは間違いなく恋煩いの顔だ。
「橘花、ちょっといい?」
「ん?」
二階で一人、遊んでいた橘花を、左京は呼び止めた。
本当なら、この役はギルに譲りたかった。
橘花の部屋に忍んで行こう、としていたことに多少の罪悪感を感じていたし、彼女とこうやって二人・・・周りに誰もいない状態になると、どうしても触れ合いたい気持ちが抑えられなくなるからだ。
「あのさ・・・俺、昨夜、見たんだ。」
「ん?」
「チャールズ・クレメンタインの幽霊。」
「え・・・ウソっ!?」
「ホント。」
「どこでっ!?」
「・・・君の部屋の前・・・。ギルも見た、ってさっき言ってたんだ。」
「ホントに!?じゃ・・・やっぱりお墓はこの家のどこかにあるんだ!!」
「そういうことだ。」
「嬉しいっ!!絶対見つけるわ!!」
「橘花・・・。」
急に橘花が飛びついてきたので、左京の心臓はメーターを振り切りそうになった。
「橘花・・・。」
そして、ここぞとばかりに、彼女の身体を強く抱き締めた。
柔らかな胸のふくらみ、しなやかな腰、橘花のシャンプーの香り・・・。
『・・・離したくない・・・このまま・・・。』
「・・・あ・・・。ゴメンなさい・・・。」
『・・・ちっ。もうおしまいかよ・・・。』
橘花が我に返って、身体を離した。
ぬくもりがまだ、手のひらに残っている。
「ワタシ、パパに報告してくるね!」
「あ・・・ああ。」
↑左京、作り笑顔コワいんですけど・・・。
そう言って橘花は駆け出して行った。
『ふむ・・・。』
『・・・勃ってしまったんだが・・・どうする、この始末・・・。』
こうやって感情に抑止力が働かなくなるから・・・だからギルに頼もうとしたというのに。
「宗太~。まーた発散か?一人部屋になったんだから、ベッドで発散し放題だろ?」
「あ、ダニエルさん・・・あの・・・あのさ・・・。」
「なんだ?」
宗太は、ダニエルにすべて話そうとしていた。
しかし、いざ話そうとすると、なんとなく言葉が出てこない。
「えーっと・・・。」
「なんだよ。俺、忙しいんだよ。」
「なにが忙しいだよ。自分から話し掛けてきたんじゃん。」
「え?あ・・・そうか。」
「・・・変な薬とかやってないよね・・・。」
「やるか。バカ。」
ダニエルと話していると、バカバカしくって面白くて、だから宗太は、左京が橘花に何をしたのか話すのを一瞬ためらった。
しかし・・・
「ダニエルさん・・・ボクさ、ダニエルさんに黙ってたことがあるんだ・・・。」
「ん?なんだ?隠し事は苦しいぞ~。お兄さんに打ち明けてみなって!」
「・・・あのさ・・・お父さんが・・・。」
「うん?」
「橘花さんにキスしてたんだ・・・。」
↑タイさん・・・
「はぁ?お前、なに言ってんの?左京がそんなことするか!バーカっ!」「ホントだよ!!」
「見たのか?お前。」
「う・・・いや・・・ロッタさんに聞いたんだけど・・・。」
「なーんだ!やっぱり!ちょっと仲良くしてたのを、ロッタが面白がってそんな風に言ったんだろうよ!」
「でも・・・。」
「もしそれがホントだったら、俺が」
「ぐわーーんっ!!・・・っと一発ぶちかましてやるよ!」
「・・・なっ。」
『・・・やっぱバカだ・・・この人・・・。』
ダニエルは、宗太の話を信じようとしなかった。
・・・とそこへ・・・
「よっ。二人で何話してんだ?」
「左京。」
左京が二人の側へ近づいてきた。
「いや~・・・宗太の与太話。」
「・・・ボク、シャワー浴びてこようっと。」
「与太話?」
「うん。宗太、あれ、空想癖強いんじゃない?」
「芸術家目指してるんだから、いいじゃないか!芸術家ってのは想像力とインスピレーションが勝負だろ?」
「そりゃそうだな。」
↑タ・・・タイさん・・・?
「空想すればいいんだよ。それが作品を生かすんじゃないか?」「左京・・・お前、いい事いうなぁ・・・。」
左京が橘花にキスをした?
だとしたら左京は、どんな気持ちで?橘花はどんな気持ちに?
『・・・まさかなぁ・・・。』
だとしたら左京は、自分にこんな風に屈託なく笑顔で話しかけてくるだろうか?
はなっから宗太の話など信じていなかったが、しかし、ほんの少しだけ、ダニエルの心にも一石が投じられ、小さな波紋が広がっていた。
ちょっと短め。
帳尻合わせです(^-^;)
こんにちわ♪
返信削除左京の作り笑い…確かにちょっとだけ怖かった(笑)
左京は暴走してますね~
すご~く~燃えてる!
そして私もすご~く萌えてる(笑)
宗太は左京を避けていますよね。
その気持ちは分かります。
どこかで認めたくないんでしょうね。
今の宗太は不安で不安で仕方がないんだろうな…。
それを思うと胸が痛みます。
左京も初めての恋ならば、宗太にとっても始めての恋ですもんね。
けど私は……やっぱり橘花と左京が一緒になって欲しいな。
宗太!ごめん!君にも必ず素敵な出会いがあるから!
と、心の中で宗太に懺悔している私です(笑)
yuzuさん、こんにちは!
返信削除そして、ギルとロッタおめでとう!!
ロッタの王子様はギルしかいませんよね!
夜の国の王子の話しを語るロッタが可愛くて、
そして全てを受けれるギルがカッコよくて、
感動的でした☆
左京は色々溜まってますね^^;
でも今の左京は人間らしいというか、
精気がみなぎっているカンジで好きです。
ほんと橘花との出会いが左京を目覚めさせたんですね!
パパも左京の魅力に気付いたようですし、
左京と橘花には幸せになってもらいたい。
けど、いろんな問題が山積みか・・・
今はみんな自分の気持ちの中だけでモヤモヤしていますけど、
誰かが一言口に出した瞬間に状況が変わっていく予感。。。
あ~ん、やっぱり書き込みがこんな時間になっちゃう。1時。
返信削除で・・・。くく・・・。もう、yuzuさんたら・・。
タイさんって、だれ?wあはははは・・・バンバンバン。
真面目に読んでるのにぃぃい~~w
しかしまぁ、平和ですねこの男四人衆は。
案外、左京がきっかと付き合っても、ふ~んそうなの?ってなって
ダニエルもその後もかわらず、きっかちゃんをあきらめずに
いつもどおりにしてそうですね。
誰かが誰かを激しく憎むなんてあるんでしょうか、
宗太はまだ、若気の至り?で父親を憎んだりもするんでしょうが、
もうこの際男三人ときっかちゃん四人で仲良くしとき~~w
まことんさん、こんばんは!!
返信削除左京、暴走寸前です(^-^;)
走り出したら止まらないかもしんないです。
夜這いしちゃうかもw
なんか、無理やり笑ってる感じのSSが撮れてて、なんかぎこちなくって面白かったんで、
使っちゃいました♪
宗太・・・確かに避けてますね~。
ダニエルにせっかく秘密を打ち明けたのに、一笑に付されてしまったし・・・。
ライバルが左京なんて、宗太の中では絶対にありえないことだったのに、それが現実かもしれないので、不安で
恐ろしくてしょうがないみたいです。
でも、どうやったら橘花を振り向かせることが出来るのかわからないんですね~。
悩んでないで、墓探し手伝ってあげればいいのにw
でも、宗太はまだまだ若いので、これからきっとたくさんの人に出会って、たくさんの恋をしなくちゃいけません!
ダニエルと一緒にね♪
Naonさん、こんばんはー!!
返信削除ギル、カッコよかったでしょ?
台詞は、もうストレートに決めました。
だって、回りくどく言ってもロッタちゃんが分かんなかったら困るから(^-^;)
もともと、ギルとロッタは恋人同士、ってことで進めてたんですが、こうやってちゃんと婚約者同士になれてよかったです♪
左京、溜まりまくってますよ!!
いろいろと。
ホント、人間臭くなりました。
このゲーム、不思議です。
左京、クールでカッコよかったけど、こうやって感情が生まれると、本当に生きてる人間みたいで左京の気持ちがこっちに伝わってくるようで・・・。(左京は、『とっとと橘花とくっつけろ!!』・・・と言っています・・・(-_-;))
まだまだいろんな想いが絡み合って、そしてどうなるのか・・・。
一つずつ問題を片付けていかなくては!!
この間の通りすがりの人さん、こんばんはー!!
返信削除あれ?メール、さっき来ましたよ?
変だな・・・。
こないだっからコメント投稿数が変なんですけど、もしかすると、もしかすると、どなたかがコメントしてくださってるのに、なぜかこちらに届かない、ということが発生しているのかも・・・。
ワタシは、いただいたコメントは、このところすべて公開してますので、認証画面にすら表示されないものがあるのかな・・・。
う~ん・・・だとしたら困ったな・・・。
ところでところで・・・
いつか気づかれる~。ん?何だか異物感が、ってこのみちゃんに言われるまえに~♪
・・・っての読んできました!!
あははははっ!!
い・・・異物感っ!!
まことんさんのところでは、あえてそれに対する反応は避けましたけど、爆笑させていただきました!
ごちそうさまです!!!
タイさん・・・それはクレメンタイン・ハウス専属メイド、タイ・ディー氏。
彼は空気のような存在で、どんなシーンを撮っていても、どこかに写りこんでいる。
黙ってやってきては、黙って自分の責務を果たし、帰っていく。
そんな存在である。
邪魔なんですけど・・・(-""-;)