どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

日曜日, 2月 20, 2011

タイム・リミット

「ねぇ、パパ。カスケード・ショアーズにはいつ帰るの?」
「まだ今んトコ予定はないなぁ。」
「仕事は?」
「取材旅行の依頼は入ってないよ。・・・なんだ、お前、僕を追い出したいのか?」

「そんなんじゃないよ。パパと一緒にいられるのは嬉しいもん。」
「ははーん。お前、里心ついたな?故郷に帰りたいんだろ?」
「・・・ちょっとね。」

「なーんだ!それなら今度、一緒に帰ろうぜ?家はそのままだし、・・・あ、かなりホコリ溜まってるかもしれないなぁ。たまには骨休めってのもいいぞ?」
「そうね・・・。」

「みんなを招待してもいいな!ここの連中は、みんな面白いや。」
「あんな田舎町に?」
「だからいいんじゃないか!海もあるしな!」

「くす。パパったら・・・。」

カスケード・ショアーズでなくてもいい。
ここでなければどこでもいいのだ。
墓探しが終わったとして、その後どうするか、橘花は考えていた。
ここにずっと居座って、このまま皆と一緒に生活し続けていたいという気持ちはある。
けれども、左京との仲を、宗太や他のみんなに隠し通す自信がない。

「ワニワニ~、エサだよー。」
「こいつら、食欲旺盛だよな。一匹死んでも、いつの間にか増えてるし。」
「そうね。」

左京とこうやって、すぐ傍にいて話しが出来るのは嬉しい。
「橘花・・・こっち向いて?」
「・・・誰かに見られたら・・・。」
「今なら誰も居ないって。」

「ちょっとだけ・・・。」
「んー・・・。」

「もー。この家、油断ならないんだから・・・。」
「まぁ、そうだけど。」

左京のことを好きになりすぎて苦しい。
本当なら圭介にも、周りのみんなにも、大声で左京との仲を公表したい。
けれどもそんなことは出来ないことは分かっている。
それに何より、自分の感情が恐ろしい。

「・・・なんかどうもうまく誘い出せないな・・・。」

違う意味でジレンマに陥っているのは、左京も同じ。
「日中は誰かしらいるし、んー・・・外から呼び出すってのも手だけど・・・。」

誘い出すタイミングがうまく合わず、いまだに橘花を抱けずにいることに焦れている。
何でもない時は気軽に誘って出掛けていたのに、初めて身体を重ねることを目的にすると、こうも気を使うことを、左京は生まれて初めて知った。
まるで少年のように臆病になり、彼女の機嫌はどうかと顔色を伺い、宗太やダニエルの視線にはらはらし、圭介の動向を見守り・・・。
「・・・性に会わねえな・・・。」

出来れば、橘花をさらってどこか遠くに行きたい。
誰にも邪魔されず、誰も自分の顔と名前を知らないそんな場所に。
「ちっ・・・因果な商売だ・・・。電話、うるせっ!今、行くよっ!」←ライブに遅刻中

今、この時ほどこの仕事に不自由を感じたことはない。
しかし、強行突破すればどうなる?
自分が責められるのはいい。そうさせない為にビッグになった。
けれども、非難の嵐は、橘花の身にも降りかかるのだ。
「くっそー・・・やりてぇーーっっ!!」

燃え立った左京のパフォーマンスで、その夜のライブは、大いに受けた。

「む・・・求人広告・・・出てる・・・。」

珍しく宗太がパソコンに向かい、求人情報を見ていた。
橘花の絵を見て、自分の画家としての才能を疑い始めていた。
元々・・・小さな頃から科学者になることが夢だった。
画家としてこの先大成しないのなら・・・今ならまだ間に合う。
「ウェブで申し込み出来るのか・・・。」

それに、橘花と同じ道を歩かない方がいいかもしれない。
夢を共に追うのではなく、安定した職に就き、彼女を守ることの方が大切かもしれない。

しかし、書き込みの途中で手が止まってしまった。
「・・・もう少し・・・考えよう。」

もう少しだけ自分の才能を信じたかった。
「もうちょっと・・・だけ・・・。」

自分の才能に限界はあるかもしれないが、まだ納得できる作品が出来ていない。
今もてる力のすべてを注ぎ込んで、一枚の絵を仕上げて、そうしたら諦めがつくだろう。
「・・・描こう。」

「何枚でも、納得いくまで・・・。」


「ね、橘花。明日さープール行くんだー。」
「ギルと?」
「うん。橘花も一緒に行く?」
「ワタシ、お邪魔虫じゃん。」

「そんなことないけどなー。」
「ドラマ、始まったよ。」
「うん。」

「・・・じゃさ、誰か一緒に誘えば?」
「誰かって?」
「んー・・・左京とか。」

「俺がどうかしたか?」
「うん。・・・わっ。先週、ここで終わったんだっけ?」

いつの間にか左京が隣りに座っていた。
「あのねー、明日、プール行こうって誘ってたの。左京も行く?」
「うーん・・・明日かぁ。」

「デートなんだろ?邪魔しちゃ悪いから遠慮しとくよ。」
「残念~。別に邪魔じゃないのにー。」

家の中で橘花の姿を見かけても。こうやって誰かが傍にいる。
『・・・真剣にドラマ見てんのか・・・可愛い・・・。』

橘花が食い入るようにテレビの画面を見ているのを、じっと眺めていたが・・・
「あ・・・電話。」
「あ、ちょうどCMだぁ~。」

「誰だ?・・・なんだ、事務所からか。」

「もしもし?」←左京
「ね、ロッタ、この女、たいしたタマよね~。」
「こういうのに男の人って弱いのかな?」

「今、取り込み中なんだけど。」←左京
「でも、それって一生もんじゃないでしょ?」
「そうなの?」
「一時の気の迷いでふら、っとくることはあるだろうけど。」
「一生は続かないのかなぁ。」

「明日?明日はオフだって言ったろ?・・わーかったよっ。今から行くから勘弁しろって。」←左京
「そうだなぁ。他に男を繋ぎとめられる魅力があればね。」
「顔と色気じゃダメなの?」
「今は若くてキレイで色気があっても、50歳、60歳になってまで保てる?」
「そっかぁ。」

「・・・ったくうるせえなぁ。」

「・・・あ、ゴメン・・・。」
「ん?そうじゃないよ。電話がうるさいって言ったんだよ。俺、ちょっと出掛けてくる。」
「あ。いってらっしゃい。」
「ねぇねぇ、でも~50歳くらいでも色気ある人、いるよ?」
「そういう人って、家でもそれ、保ってると思える?」
「ん~・・・無理かぁ。」

二人がテレビの中の女優にあれこれと難癖をつけるような感じで恋愛談義をしているのが面白かった。
ずっとそれを横で聞いていたかったが、仕事の呼び出しではいたしかたない。
「左京、行っちゃったね。」
「電話の邪魔しちゃったね。」
「あ。CM、明けたよ。」
「うん。」


「50歳、60歳になっても・・・か。女の子の話って面白いな。」

「俺は橘花が50になっても60になっても可愛いと思うけどな。」

・・・と考えて、ふと思った。
「橘花が50になったら、俺はいくつだ・・・?」


今更ながら、橘花との年の差に思い至って、愕然とした。
「・・・俺・・・もう若くないんだよな・・・。」

そう思うと、更に焦りが募った。
まともに橘花を抱けるのは今のうちかもしれない。彼女を満足させてやれるのは、ほんのわずかな時間しかないかもしれない。
だったらぐずぐずしていないで、早く行動を起こすべきだ。
「くっそ・・・長生きしてやる・・・。」

明日・・・誰が見ていようと構わない。
必ず橘花を誘い出して抱く。
そう決めた。

7 件のコメント:

  1. yuzuさん、始めましてNaonと申します。
    まことんさんの所から遊びにきちゃいました!

    とりあえず「以蔵とヒイナのアドベンチャーな日常」制覇です!!(なんだか遡っててスミマセン)
    すべて読んでからコメントさせて頂こうと思ったのですが、ウズウズして書きこんじゃいました^^;

    以蔵とヒイナ、最後の日まで一緒なんて・・
    究極ですね、愛の形の。
    ユリアの死は悲しかったです。
    短命が運命ならどうして神様はこの世にユリアを授けたのか・・
    なんて、ゲーム上の事ですけど悲しくなりました。

    さぁ次はClementine Share Houseです!
    楽しみ♪
    左京さんがいますね☆
    しかもなんだかウフフな事になるみたいだし。
    急いで追いつかなければ(笑)

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  2. Naonさん、始めまして!こんばんはー!
    まことんさんのところから!ようこそ僻地へ!!

    ぎゃー!以蔵とヒイナのとこから読んでくださったんですか!
    ありがとうございます~というかゴメンなさい~。長くて。
    あの時、何度も何度も書いたんですが、以蔵とヒイナさんは本当に深く愛し合ってて、ヒイナさんが先にいなくなっちゃうのに以蔵は耐えられなかったんでしょうね。
    ヒイナさんが亡くなった後の物語も考えていたのに、同時に天国に行ってしまいました。

    ま、今は幽霊になって二人でまだ一緒にいるけど♪

    ユリアさんも可哀想でした。
    当時は本当にショックで・・・。
    きっと今頃生きていたら、左京にハッパかけてるに違いありません(笑)
    「あんた!息子の好きな女の子に手出すなんて、どんだけ鬼畜!?ガキねーっ。」とか罵られてるかも(^-^;)
    恰幅のいいおばちゃんになってたかも。

    そう!
    左京の恋の話はやるつもりなかったんですよ。
    なのに、なぜかこんなことになってしまいました。
    ・・・あ、まだ読んでないんですよね。すみません・・・。
    つたないレビューですが、楽しんでいただけると嬉しいです(*^-^)人

    コメント、ありがとうございました!!

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  3. こんにちわ~♪

    うほ~~盛り上がってきた!
    左京の、「くっそー・・・やりてぇーーっっ!!」
    にはかなりウケましたけど(笑)
    やっぱり彼も普通の男だったんだなと、今更ながら実感しました。
    だって左京ってあんまり自分の感情をむき出しにしませんよね。
    だからこの間橘花に『抱きたい』と言った時も、
    正直うらやまし…じゃなくて、ちょっと驚きだったんですよ。
    けどだからこそ尚更萌えましたけど(笑)

    いよいよ次か!次だ!よし!次!
    それを励みに今日も頑張って仕事するぞ~~!

    どんな励みだよ…(笑)

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  4. ちょっともう、お返事を夜まで引き延ばすのがあれなんで、携帯から返信してます。

    あ、まことんさんこんにちは。ユズです。

    携帯からの返信ってほとんどしたことないので、
    誤字・脱字はご容赦を…

    左京ね、今まで確かに自分の感情を
    表に出さなかったでしょ?
    それは、今まで、感情を表に出して付き合うような相手に
    出逢わなかったからですよ。
    それが左京の『変化』に他ならないわけです。
    人間なんだから、絶対に感情を押し殺してクールさを気取ってなんて、
    ずっとは無料ですよね?
    ましてや左京は、ロックスターっていう地位があるんで、
    カッコ良く決めてるのが当たり前でした。

    ま、そもそもワタシが、左京の人間くさい部分を
    クローズアップしてこなかったので驚いちゃったんですよね~。

    次回は更に左京の人間くさい部分が出てきますよ(^-^)
    もしかすると、「えー。これが左京ー?」って思ってしまうかも。(人間じゃなくてシムだけど…)

    でも…ワタシはこんな左京が好きです!
    ラストに向けて、ますます感情剥き出しになってきますよ♪

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  5. あ…やっぱ誤字あるや…
    無料ってなんだよ。無料って…
    ゴメン~(>_<)

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  6. この間の通りすがりの人2011年2月21日 16:54

    読みました。読みましたよ。全部。
    私もちょっとフラフラですが、ですがですが。
    わたくしは今猛烈に号泣しております。

    おおお~~、ヒイナさん以蔵さん。
    なんという感動的なお話だこと。
    二人が生前幸せだったからこそ、感動のハッピーエンド。
    二人の愛は永遠のものになったんですね。

    以蔵が死ぬ時、死神に「はやく連れて行ってくれ」なんて
    死後に言える人生を送れる人はそうはいないですよね、すばらしい。
    パソコンの前がティッシュだらけになったじゃないですか。

    そうだったんですかそんな過去があったんですか。
    そして左京も若い頃、嫁探ししてもうまくいかなかったし、
    マルゴを追いかけもしなかったんですね。しかも元は政治家だったのか。
    ロックの頃の左京しか知らなかったのでびっくりしました。
    幸せな家庭って本当に良いですね。これからもがんばってください!ヒシッ!(握手)

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  7. この間の通りすがりの人さん、こんにちはー!!
    会社からすっ飛んで帰ってきましたよー!

    ふむ・・・定時に上がれば、こんなに早く帰れるのか・・・と。
    まだ7時じゃん!!なにこれ、なにこれー!

    ・・・一人で興奮しててすみません。

    今からやらかすことを思うと、興奮せざるを得ないんですよ~。

    うを。
    通りすがりさん・・・あなたも勇者です・・・。
    以蔵とヒイナさんの話・・・あれだけ長いレビューを読んでくださったなんて・・・。
    ありがとうございます!

    そうなのです。
    主人公は変わってるんですが、今のクレメンタインの家の話は、続き物って位置付けなんです。
    なんか、こんな風にして、延々レビューを続けていきそうな気がする。ワタシ。
    年代とかが合わなくなっちゃうんですが、ま、ゲームなので。

    左京、冷たい男だったんですよ~。
    利害でしか人間関係を作れなかったというか。
    追いかけなかったのは、自信があったからです。
    マルゴさんが出て行っても、自分のところに戻ってくるはずって。
    でも、その期待が裏切られて、自信喪失して、なぜかロックの道に(笑)

    以蔵とヒイナさんは、理想の夫婦です。
    思いもかけず同じ日に亡くなったのは、ちょっとぞっとしましたけど、長いことシムを動かしてると、なんかゲームの中だけど、自我を持ち始めてるような気がして怖いです。
    その以蔵の息子ですから、左京は。
    ちょっと遠回りしたけど、溢れんばかりの愛で、橘花を包んであげて欲しいです。

    さぁ!今からやりますよ!!

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