どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

水曜日, 4月 20, 2011

黄昏色の空の街

ここは・・・

国内のほぼ南端に位置する、バーナクル・ベイという小さな街。
圭介は、ここに取材と称して滞在しているのだ。

「海だ・・・。」

ツイン・ブルックから飛行機で4時間。
出発したのは真昼だったのに、夕闇が迫ってきている。
「・・・なんて・・・感傷に浸ってるヒマなんかないんだったわ・・・。」

久しぶりに海を見た。
波の音と潮風が心地いい。
けれども、海を眺めているわけにはいかない。
とにかく・・・病院に行ってみようと思った。

空港から数十分。
この街の中心街に一軒、大きな病院がある。
「ここか・・・。パパ・・・大丈夫なのかな・・・。」

倒れた、というのなら、入院しているもの、と思って、橘花はここまで来た。

受付で聞けば、すぐに分かるだろう、と思っていたのだったが・・・。


「・・・変ね・・・。」

受付では、そんな入院患者はいない、と言われてしまった。
では、どこにいけばいいのか・・・橘花は見知らぬこの街で、途方に暮れていた。
ならば、家に行くしかないのだが、実は橘花は、圭介がこの街のどこに居を構えているのか知らない。
「・・・あ、あの人に聞いてみよう・・・。」

誰でもいいから、とにかく尋ねてみなければ始まらない。
さほど大きな街ではないのだ。
だから、よそから取材に来ている圭介のことなら、誰かに聞けば分かるだろう、と思ったのだ。
「あの・・・。すみません・・・。」
「ん?なんだね?」

「あのー・・・柑崎圭介、って人・・・どこに滞在してるか、ご存知ないですか?よそから取材に来てるジャーナリストなんですけど・・・。」
「柑崎?・・・ああ!あの変わり者の作家さんかね?・・・う~ん・・・時々ビーチなんかで顔は合わせるんだが、家までは知らないなぁ。」

「そうですか・・・。」
「すまんねぇ。」

圭介のことは知っているが、どこにいるのかは分からない、という。
しかしその人は、道路を挟んだ向かいにある公園を指差した。
「そこの公園にはたくさん人がいるはずだから、行って、聞いてみるといいよ。誰か知ってるかも知れないから。」
「公園ですか?」
「あんまり娯楽もないんでね、夕飯後の集いの場になってるんだよ。」

そう言われて、橘花は目の前の公園に足を向けた。
「あそこかぁ。」

日が沈み、辺りは暗闇に包まれようとしている。
けれど、ツインブルックの宵闇とはなんとなく違う。
夕日の茜が空に溶け、紫紺の絵の具を注いだような、美しい色だった。

「確かに・・・。」

この時間なのに、公園には、たくさんの人が群れていた。
とにかく誰かに聞いてみよう・・・と橘花は人の群れに近付いて行ったが、公園にやってきた橘花を見て、立ち上がってこちらを見ている人がいた。
「あんのー・・・。」
「はい?」

「おみゃーさん、ひょっとして・・・圭介さんの娘さんやか?」
「え・・・?ええ・・・。」

「やっぱりそうやか!!この辺じゃ見かけーへん綺麗な人やき、そやろうと思った!!」
「え?えっとー・・・。」
「自分が電話したんに!圭介さんに頼まれて!」
「え?」

「あ・・・そうだったんですか・・・。あの・・・ありがとうございます。あなたは・・・?」
「あ。自分、モー、って言いますでなも。猟師をやっとって、圭介さんに雇われて、洞窟の探検とか連れてかれたりしとるでよ。」
「パパに?」

「うん!圭介さん待っとるて!案内するで、行きましょ!!」

確かに・・・橘花に電話をくれた、その人のようだった。
その人が案内してくれる、というので、橘花は後に従った。

「圭介さん、来るかどうか分かれへんちー言ってたけど、ござったやんね!」
「はぁ・・・。」

悪い人では・・・なさそうだ。
けれども車は、この小さな街の奥へ奥へと走り、ずいぶんと寂しいところまでやってきた。
「あの・・・ずいぶん・・・辺鄙なところなんですね・・・。」
「圭介さん、変わり者だでなぁ。こんな不便なトコの方がなんとかが湧く言うて。」
「・・・インスピレーション・・・ですか?」
「それそれ!!」

タクシーは、海に向かって走った。
「さっ。着いたで!」
「ここに・・・。」

目の前は海。
街の中心部からはずいぶん離れた場所にある、小さなコテージ。
ここに圭介がいるという。
「パパ・・・。」

具合はどうなのか、様子はどうなのか、橘花は小走りにその家に入って行った。
「圭介さんの部屋は奥だで。」
「奥・・・。」

「ここ・・・ね。」

橘花は、その部屋の戸を、思い切り開けた。
「パパ!!」


「いよぉ!橘花!よく来たな。」
「パ・・・パパ・・・?」

そこにいるのは、まぎれもなく圭介だった。
しかし・・・倒れた、と聞いていたのに、血色も良く、やけに元気そうだった。
「どうしたのよ!!倒れたって聞いたから、慌てて飛んできたのに!!」
「倒れたよ?」

「ピンピンしてるじゃないのよっ!!」
「お前・・・そう、きゃんきゃん言うなって!」

「海でフジツボ踏んじゃってさー・・・。そんで、あまりの痛さにひっくり返ったら溺れかけてさー。・・・ま、浅瀬だったから助かったけど。」

「信じらんないっ!!それだけでわざわざここまで呼びつけたのっ!?」
「お前、そう言うけど・・・人間、洗面器一杯の水で、溺死出来るんだぜ?」

「どんだけ心配したか、分かってるのっ!?」
「心配してくれたのかぁ。」
「心配して損したっ!なんで自分で電話しないのよっ!!」

「左京だって、すっごく心配して・・・。」
「あー・・・左京なぁ・・・。」

「それもあったからさぁ・・・。」

「よいしょ・・・っと。」

「・・・立てるんじゃない・・・。」
「痛いんだぜ?足の裏、がっつり切っちゃってさ。・・・5ミリくらい。」

「橘花、お前・・・左京と結婚するつもりか?」
「え・・・うん・・・。知ってるんだね・・・。」
「左京のヤツ、あんだけ派手に結婚宣言しといて、知らないわけないだろ?顔は隠してあったけど、お前の写真だって、テレビに出てんだぜ?」
「え・・・そうなんだ・・・。」

「だいたいさー・・・お前、勝手に結婚するとか、僕は許さないかんね。」
「うん・・・。黙ってて・・・ゴメン。ワタシ・・・左京と・・・。」

「ストーップーーっ!!そっから先は、左京からじゃないと聞かないよ!」
「パパ・・・。」

「それが筋ってもんだろ?」
「左京が来て話せば・・・許してくれるの?」

「それは左京次第。・・・な、橘花。お腹すいた。なんか作って。」
「・・・。」
「足、痛くって作れないんだよねー。」
「・・・分かったわよ。」


『呆れた・・・。』

『左京とパパって・・・どっか似てるわ・・・。』

こういう訳の分からないわがままさとか、妙に無邪気なところとか・・・。

『でも・・・よかった・・・。パパがなんともなくて・・・。』

大きな病気でも怪我でもなく、無事でいてくれたことにホッとした。
『・・・ま、ちょっとすれば左京のトコに行けそうね。』

しかし・・・たいした怪我でもないのに、圭介が自分を呼び寄せたということは、何か魂胆があるに違いない。
油断は出来ない、ということだ。
『・・・パパがなんて言ったって、左京のとこに行くんだから!・・・でも、その前に・・・パパにちゃんと許して貰わなきゃ。』

シチューを煮込みながら、そのことで頭がいっぱいになっていた。
「よしっ!出来た。」

圭介を呼びに行こうとしたところ、先ほど橘花をここまで連れてきてくれたモーがキッチンに入ってきた。
「あ!お嬢さん!圭介さん、喜んでたで?」
「モーさん。」

「お嬢さんに会いたい~会いたい~って言うとったでな!」
「そうなんだ・・・。」
「あんな浅瀬で溺れかける人も珍しいがね!」
「(どんな浅瀬だったんだろう・・・。)」

「・・・モーさん、どうもありがとう。」
「いんや~。自分、なーもしとらんで!」

「今日はこれで帰るでな!なんかあったら電話してちょう。」
「ええ。本当にありがとう。」

猟師だと言っていたモーは、海の匂いがする男だった。
きっとこの街で圭介の一番近くにいて、なにくれと世話をしてくれていたのだろう。

「さて、シチューが冷めちゃうわ。」

モーが帰った後、圭介を呼びに来た橘花だったが・・・。
「パパ。・・・あ、寝てる・・・。」

いつの間にか圭介は、ベッドで寝入ってしまっていた。
起こすのも気の毒だし、仕方がないので、橘花は一人で食事をした。
「なんだか、今日は長い一日だったわ・・・。疲れちゃった・・・。」

この時まで、お腹がすいていることも忘れていた。
そして、食事が済むと、眠気が襲ってきた。
「もう一個、部屋があるんだ・・・。」

橘花はもう一つのベッドルームに入り、ベッドに潜りこんだ。
「ワタシも・・・寝よう・・・。」

圭介が無事だということが分かり、一気に気が抜けた。
気が抜けて安心すると、どっと疲れを感じた。
何か大事なことを忘れているような気がしたのだが・・・今はとにかく眠りたかった。








バーナクル・ベイでプレイすると、必ずといっていいほど仲良くなってしまう、NPCのモー・ペッシェ氏。

そこそこイケメンだとは思うんですが・・・なぜか野暮ったい(^-^;)
左京を見慣れてるせいか・・・?
そして喋っているのはなぜか名古屋弁です・・・。名古屋弁翻訳機に頼りました(^_^;)ゝ

4 件のコメント:

  1. ( ´ー`)ノ コンチャ

    ふぅ~~何もなくって・・というか
    ちっちゃいのあったんだけど(´・ω・`;A)
    フジツボ!アレね・・マジでいたいのよね( ´艸`)
    海の岩はセッタ必須ですよ!
    しかもゴムつきのかかとに引っ掛けれるヤツw
    それをいつも素もぐりの時は愛用☆
    パパ、買うんだぞっw
    そして浅瀬で溺れないようにしてねww

    結婚する娘・・やっぱり報道で知るより先に
    本人から聞きたかったのかな。
    しかも大切な1人娘・・さびしくなったかなぁ~

    名古屋弁なんだぁぁぁ~~
    聞きなれない言葉でどこだろうって思ってましたw
    今度はうちは本家本元の大阪弁を使用しようと思いますw

    とりあえず・・眠る前に心配している仲間に電話しようよ
    (*ノ∀^)ノ゛))アヒャヒャ
    そこが橘花ちゃんらしくて*+:。.。イィ(o´Д`o)ィイ。.。:+*

    でも、そのパパの魂胆・・気になりますねっ!
    楽しみにまた遊びにきまぁす♪

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  2. ぽよ~んさん、こんばんは!!
    フジツボ、踏んだら痛いですよね~。
    岩場ではビーサン、必須です!!
    滑ったりして危ないですもんね(^-^;)
    かかとに引っ掛けれるヤツですね☆パパに買わせなくっちゃ!

    おお!関西弁、いいなぁ~。
    方言って、どこの地方でも特徴があって、なんか好きです(^-^*)
    語尾のイントネーションとか、それだけで地方の特色が出たりするので、文章にするのって難しいです。

    パパ、そんな簡単に、左京に橘花を渡すもんか!・・・って思ってますね~。
    でも、橘花が結局は左京のところに行くのも分かってる。
    じゃあ、どうしようか、って考え中なんです。
    橘花を呼び寄せたのは、実は親心も半分。
    それと、寂しさが半分ですかね。
    そうそう。
    橘花!呑気に寝てる場合じゃないっての!!
    すごーく大事なこと忘れてるんだからーww
    でも、パパの元気な顔見て、安心しちゃった(^-^)

    さーて。パパと左京の対決は近いですよぉ!
    ・・・たいした対決じゃないですけどねっ。

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  3. こんにちは~(*^^)v

    フジツボ・・犯人はフジツボだったんですねぇww

    あまり海に行かないのでまじまじと見た事ないんですけど…
    ちょっと苦手なタイプです(え)

    モーさん・・wwイケメンなのにしゃべり方がw
    よし…私も負けないように岡山弁を…

    じゃけん、どうしたん?ってねww
    (え?岡山弁ってどんなんだったかな…w)




    パパは、やはりテレビで状況とか知っても、本人たちの口からちゃんと聞きたいですもんね
    うんうん。

    それにしてもバーナクルベイ・・いいですねぇ~♪

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  4. こくいさん、こんばんは!
    犯人はフジツボ!!
    岩場とかにびっしり張り付いてるアレです。
    痛いんですよ~。踏んだら(笑)
    パパ、お茶目ですね~。そんくらいで娘を呼び寄せちゃうんですから!

    パパとしては、本当はフジツボごときで橘花を呼ぶつもりなんかなかったんだけど、こんな時だから手元に置いておきたかったんですよねー。
    左京の結婚宣言で、『こりゃ大変だ!』ってなっちゃったんです。
    ま、自分に無断で結婚なんて、しかも左京となんて許せない、ってのはあるんですけど(^_^;)ゝ

    バーナクルベイ、なかなか良いです!
    サンセット・バレーに似てて(^-^)
    男子NPCは、モーさんみたいに日焼けした海の男っぽいひとがいっぱいいて♪
    結構イケメンもいるし。
    ほとんどプレイしたことなかったけど、せっかく買ったし、もうちょっと遊びたいなぁ。

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