どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

水曜日, 11月 16, 2011

第2話 孤独

「・・・もう朝か・・・。」

「うー・・・なんか頭痛い・・・。」

この日、左京は起きるなり、頭痛を感じていた。
「あー・・・イタタ・・・。」

「・・・薬飲めば治るかなぁ・・・。」

痛みはするが、起きられない、というほどではない。
朝食を摂って、頭痛薬でも飲めば治るだろう、と思っていた。
「お前ら、帰ってきたら遊んでやるからな。待ってな。」

自分の空想の世界でずっと遊んでいられたら、どんなにかいいだろう、と時々思う。
けれど左京は、学校は嫌いだが、勉強は嫌いではなかった。
「よっ・・・と。」

勉強にしろなんにしろ、モノを覚える、という行為は楽しい。
「ん。いい匂い。」

知識が身についた分だけ、『自分』という人間が形を成していくような感覚がして気分がいい。
「へへっ。うまく焼けた。」

だからこうやって料理をすることも好きだった。
自分の好物を作っているうちに、いつの間にか頭痛は消えていた。

「お。左京、今から学校か?」
「うん。」

「新しい学校はどうだ?友達は出来たか?」
「うーん。」

友達などいない。
学校で、誰かと親しく話す、などということもなく、毎日左京は過ごしていた。
父親はそれをまだ知らない。
自分の息子が学校でどんな生活を送っているのか、いや、家にいるときですら、何をして過ごしているのか知らなかった。
「勉強は?向こうの学校と比べて、どうだ?」
「おんなじくらい。」

「まぁ、サボらず通えば、友達もすぐ出来るさ。けど、悪い連中とつるんだりするんじゃないぞ。」
「分かってる。」

「あ!バス、来た。いってきます!」
「うむ。」

「・・・。」

左京が勢いよく飛び出して行った後、以蔵は考えるのだ。
「・・・ふむ・・・。」

事情があって、引越しを繰り返していた為、左京を寄宿学校へ入れた。
それが左京の為でもある、と信じていた。
だが、意に反して、左京は問題を起こし、退学寸前だったところを、手元に引き取るということで、なんとか転校という形に収めたのだ。

こうやって一緒に生活してみると、左京に問題を起こすようなところは見当たらない。
成績もいいし、多少引きこもり気味なところはあるが、自分たちに反抗するような素振りは見えない。
「アイツ・・・皿も片付けないで・・・。」

高校生とはいえ、子供っぽいところがあるから、まだ甘えたい盛りだったのに寄宿学校に入れたのは失敗だったか・・・と思うのである。

「んーっと・・・。」

「んっ。よし。終わり。」

この日も左京は学校帰りに図書館に寄り、宿題を片付けた。
そして、学校で先生から言い付かった用事を片付けるために、科学研究所に向かった。
「ここかぁ。」

要は、この街に来てまだ間もない左京の為に、街の地理を知って欲しいと考えた教師から、簡単な届け物を頼まれたわけだ。
「へぇ。こんな場所にあるんだな。街のこっち側ってあんまり来たことなかったからな。」

確かに左京は、まだこの街のすべてを知らない。
父親からは、危険な場所があるから、山の方へは行くな、と言われたが、自宅を中心に、学校の近くや、街の中心地にしか足を伸ばしたことはなかった。

所用は簡単に終わった。
科学研究所を出ると、目の前にスタジアムがある。
「あ!フードトラックがいる!」

そこにフードトラックを見つけて、左京は駆け寄った。
「なんか変わったもん、ないかな?」

しかし、メニューはいつも立ち寄る公園のものとさほど変わり映えしないようだ。
「ん~・・・ま、いいや。えーっと・・・。」

「ブリトーにしよっかな。」

「ありがと。」

「さーて。味はどうかな?」

「んー・・・あっ。こっちのほうが美味しいや!今度からここに来ようかな?」

「眺めもいいし、ここは湖に近いんだなぁ。」

「食べたら見に行ってみよっと。」

スタジアムの裏手には、湖が広がっている。
標高は数百メートル程度だが、混じり気のない水面を湛える大きな湖は、アルパイン・レイクと呼ばれ、この街の象徴ともなっていた。
「わぁ!」

山に夕日が落ち懸かり、湖面が薄紫色に光っている。
そこに魚が跳ねるのを見て、左京は釣り糸を垂れた。
「すっげぇ釣れそうな気がする!」

「よっ。」

「よしっ!」

「やっぱり当たりだ!ここはよく釣れるぞ!」


やがて辺りは夕闇に包まれ、



左京は時間を忘れた。



「うわ・・・すっごい星空。コワイくらいだな・・・。」

満天の星、という言葉通りの夜空が広がっている。
暗いのが怖いのではなく、空から星が降り注ぎそうな、そんな感覚に襲われていた。
「父さんと母さんは、こんな星空、眺めたことあるのかな?」

ふと、左京の脳裏に、家族でどこかへ出かけ、のんびりと過ごしたい、という憧れが浮かんだ。
単に寄宿舎から逃げ出したいがためだけではなく、親と一緒に暮らしたい、という気持ちが、今までどこかにあったのかもしれない。
そんなことを考えながら、ただ釣り糸を垂れていた。
辺りはシンと静まり返り、時折かすかに鳥の鳴き声が聞こえたり、魚が跳ねる水音が響くだけ。

しかし、その静寂の時間が突然破られた。
「君!!そこで何してるの!?」

「あ・・・え?警察・・・?」
「何やってるの!こんな時間に!!こっちにいらっしゃい!!」

夜間巡回中の警察官に見咎められたのだ。

「え?そんなに時間、経ってた?」

左京にしてみれば、ほんの1~2時間のつもりだった。
けれども、考えてみれば、車が通る音も、いつの間にかほとんど途絶えていたのだ。
「あの・・・今、何時?」
「もう日が替わってるのよ!家まで送っていくから車に乗りなさい。」
「あ・・・はい・・・。」

そんな遅い時間になっていたとは思わなかった。
「こんな時間まで何をしてたの?」
「あの・・・釣り・・・。」
「呆れた!!」

「親御さんが心配してるわよ!きっと!」
「そう・・・かな・・・。」
「当たり前じゃないの!」

この警官はそう言うが、果たして両親はもう、帰宅しているだろうか?
でも、心配してくれていたらいいのに・・・とも思う。
「あ・・・ここでいいです。」
「ここが君の家?」

警察官ならば、父親と同僚のはずだが、この人は気づいていない。
所属する課が違えば面識もないのかもしれないし、顔見知りだったとしても、自宅までは知らない、ということだろう。

「あ・・・灯り、ついてる・・・。」

・・・と、いうことは、どちらかが・・・もしかすると二人とも家にいる、ということだ。

玄関を入ると、家にいたのは父親だった。
「左京。こんな時間まで、どこで何をしてた!?」
「あ・・・。」
「パトロールから連絡があったんだぞ。」
「え・・・えっと・・・。」

「あ・・・あのね、学校で用事を言い付かって、科学研究所まで行ったんだ!
それで、あんまり夕陽がキレイだったから釣りしてて、で、いつの間にか暗くなってて・・・。」

「すごーく星がキレイでさ!見とれちゃうくらい!」

「そんなことは聞いとらんっ!!」
「あ・・・つい・・・こんな時間になってるなんて思わなくって・・・。」

「嘘をつくな!!お前、俺たちがほとんど家にいないのをいいことに、毎晩夜遊びしてたんじゃあるまいなっ!?」
「ひっ!」

以蔵に怒鳴りつけられ、左京は謝るタイミングを逃してしまった。
「まさか・・・西の森に行ったんじゃなかろうな!?山の方は危険だとあれほど・・・!!」
「い・・・行ってないよ。そんなとこ・・・。」

「あんな星空、初めて見たから・・・。」
「・・・まったく・・・。」

「あのさ・・・。」
「もういい!お前はこの週末は外出禁止だ!!」

「え・・・そんなぁ・・・。だって・・・。」
「まだ口答えする気か!?」

口答えするつもりもないし、嘘もついていない。
なのに、どうしてこんなにキツく叱られるのか、左京には分からなかった。
「・・・分かったよ・・・。」

『父さん・・・。』


本当は・・・

「左京!ちゃんと謝らんか!!」


父親と一緒に、暗くなるまで釣りをしたり、

「こら!!左京!!」


星を眺めたり、

「・・・まったく・・・。なんてヤツだ・・・。」


普通の家族がそうであるように、自分もそうしたい、と言いたかった。

「も・・・いい・・・。」

一人でいたい、と望んだのは自分だ。
「・・・寝よう・・・。」

他人に囲まれ、居心地の悪い思いをするのがイヤだった。
血の繋がった両親ならきっと自分のことを理解してくれる・・・そう思っていた。
けれど、そんな甘えた考えを起こすのが間違っていたんだ、と反省した。
「・・・いいんだ。一人で・・・。」

今までだってずっと一人だったのだから、辛くなんかない。

でも、それじゃ、どうして自分は泣いているのだろう?

自分は両親から嫌われているのだろうか?
しょせんどこで誰と生活しようと同じだ。
そう思い、左京は傷む胸を押さえて眠りについた。

4 件のコメント:

  1. こんばんわ!
    気づいたらもう新しいストーリー始まってたw
    この町、俺もDLしたかったんですけどね~
    確かポイントがないとダメなんですよね・・・・
    リバービューが0ポイントになるまで待っとけば良かった(泣)
    リバービューDLしといて遊んでないし・・・・

    左京のティーン時代とかなつかしいですね~
    思えば、日記の時の左京の印象は結婚相手を探してアッチコッチに
    手を出してたような・・・・・

    最後の涙・・・・切ないですね・・・・
    お父さんと遊びたいのに・・・・気づいてくれない・・・うぅ(;Д;)
    以蔵・・・・なんかオネェに見えるんですが・・・・
    唇ピンクやしw(笑)

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  2. けーくん、こんにちは!!
    新ストーリー、こっそり始めてました(^-^)
    ヒドゥン・スプリングスの街は、発売前からどーしても欲しくって、買ってしまいましたよ~。
    出たとき、ちょっとだけ割引になってたし。
    カスタムワールドもいいけれど、こういう公式のヤツだと、オブジェクトとか服とかがなにげに増えて、嬉しいんですよね。
    リバービューの田園的オブジェクトも、結構魅力的なんですけど、ワタシもリバービューではほとんど遊んでないや。

    前の日記のとき、左京のお嫁さんが見つからなくって、旅に出したりしてました!
    結局離婚しちゃったけど(^_^;)ゝ
    今回は、ティーンの左京を、めいっぱい楽しみたくって。
    ニート夫妻で、子供たちは全員ティーンになったけど、
    たいして楽しんでないまま終わってしまったんで、
    学校でイタズラ、とかティーンパーティーとかやってみたいなぁ、なんて。

    以蔵、肌の色が白いのか、確かに唇の色がすっごいピンク色なんですよ!!
    メイクとか全然してないんだけどなぁww
    オネェっぽいですよね~wwwww

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  3. ユズさん、こんにちわ(*^^)v

    おおおおおww新ストーリー!!イエアっ!!
    髪の毛サラサラで…でもってやはりイケメン!!

    今回はこれまたせつないかんじで…これまた色んな意味でキュンです(変態な左京さんもすきですよw)

    この町…私もDLしようか悩んでたんですけど…
    結構よさそうな…w

    あと…久しぶりに以蔵さんとかにも会えてよかったです(^^)

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  4. こくいさん、こんにちは!!
    新ストーリーですよ~(^-^)
    若い左京は、やっぱこの髪型が似合うんだな~。
    コイツ、やっぱよく見ると、いい顔のつくりをしてるんですよねぇ。

    切な~い感じで始まってますが、まだまだ序の口。
    導入部分も終わってないのでね(^-^;)ゝ
    でも、途中からはちょっと明るいです。

    ヒドゥン・スプリングス、ほどよい大きさで、いい感じです!
    区画の配置がしやすかったりするんで、
    ワタシみたいに、街をごちょごちょいじってプレイする人間には、とーっても使いやすい☆
    ただ・・・データセット一つ買えるくらいのお値段っていうのが難ですよね~。

    以蔵もヒイナさんも復活させちゃいました!えへ。
    すっごく久しぶりに、動く二人を見て、おおおおおーーっ!・・・とか感動しております。

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