「う~ん・・・。直しても直してもキリがない・・・。」
「買い換えたほうがいいのかな?」
「俺、直すからいいよ。」

本当に、この食洗機はよく壊れます。
直すスキルを持ってるのは、ダニエルと左京なので、手の空いたほうが修理をする、という寸法ですが、どちらかというと電化製品はダニエル、配管関係は左京にお願いしています。
「な、ギル。俺、昇進したんだー。」
「お前、うだうだ言う割には仕事熱心じゃないか。」

「う~ん・・・。やっぱ昇進したら嬉しいんだよなぁ。」
「そりゃそうさ!名医になる日も近いんじゃないのか?」

「いや、俺、医者極めようとか思ってないよ。音楽やりたいのに。」
「・・・お前、そんだけ医者の才能あんのに、変わってんな。」

望んでついた職ではないんです。けどダニエル、自分でも医者としてここまでやれるとは思っていませんでした。
ギルとダニエルが話し込んでいると、いつの間にか橘花もテレビを見るのに加わっていました。
『この・・・微妙な距離感はなんだろう・・・。』

ダニエルとしては、すぐ横に橘花に座って欲しいのですが・・・。
「ね、橘花。俺、昇進したんだよ!」
「へー。すっごい!」

「お祝いにさー・・・なんかおごるから、どっか行こうよ!」
「あははっ。それ、逆じゃない?」

「いいじゃん、いいじゃん。ねっ。今度の休みに。」
「いいよー。」
『よっしゃ!』

うまく橘花を誘うことが出来て、心の中でガッツポーズをするダニエルです。
橘花は、彫刻家としてはそこそこ名前が売れてきました。
なので、お次は発明です!
「発明家になる気はないんだけど・・・出来た!!」

ちまちまと怪しげな装置を作ったりしていましたが、今回は大物ができました。
「うふふふー♪収穫機!これでなんでも吸い取っちゃうもんね~。」

掃除機と勘違いしてませんか?・・・ま、似たようなものですけど。
「ん~・・・これ、昔、映画館で観たことあるかも・・・。」
「へー。」

「これさ、こいつが最後・・・。」
「もー。結末言わないでよー。」
「観たことないの?」
「ないから言わないでっ。」

「あっ。」
「あっ。」
「・・・ほらー。ダニエルが余計なこと言うからぁ。」

テレビ、壊れてしまいました。
「・・・俺のせい?」
「そうよっ。」

「なんでだよ・・・。」
「もーーっ!!続きが気になるーーっ!!」

左京はさっきから二人が大騒ぎしている横でずっと本読んでますが、全然耳に入っていないみたいです。なんという集中力。
「じゃー・・・しょうがないから踊る?」
「かんべんしてくれよー。」

「じゃー・・・宗太!踊ろうよー♪」
『なんでボクが・・・。眠たいのに・・・。』

ダニエルは。ロッタを宗太に押し付けて、逃げてしまいました。
左京は読書に没頭していて相手にしてくれませんので、通りかかった宗太が捕まったわけです。
「む・・・あんた、なかなかやるわね。」
「やるとなったら負けるもんか!」

二人で本気で踊り出しました。
この後・・・ステレオが壊れました・・・。
スジのないお話でした。
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