『ダニエル、どこ行っちゃったんだろ。こんな遅くまで・・・。・・・ったく・・・。』
深夜を回っても、出掛けていったダニエルたちは帰ってきません。
ようやく帰ってきたのは、もう明け方近くになってからでした。
「う~いっ。帰ったぞ~!!」
「ボ・・・ボク・・・ふらふらだよ・・・。」
「ギル、うるさいよっ。何時だと思ってんのよ。」
「おー!ロッタ。起きて待っててくれたのか?うん?」
「だーれが!近所迷惑だから騒がないでよっ。」
「なんだよー。起きててくれたんじゃねえのかよー。かわいくねぇなー。お前が近所迷惑なんて気にするタマかぁ?」
「うるさいっ!なんでそんなに酔っ払ってんのよっ。」
「うひゃひゃひゃひゃっ。ロッタちゃん、セクシー。」
「ダニエルもうるさいっ!」
「口やかましいオンナだなー。」
「お前みたいな口やかましいのより、俺は坊ちゃんの方が好きなんだぜ~。」
「ちょ・・・ギルさんっ。やめてっ。」
「ふーん、あっそう。」
「も、知ーらないっ。オトコ三人でやらしいんだからー。」
ロッタも呆れるほど酔っ払ってる三人。
玄関先で大騒ぎしている間に、夜が明けてきました。
「おーい!左京は起きてないのかー?左京ーーっ!」
「ギルさん・・・やめて・・・。頭ガンガンしてきたよ・・・。」
「さーーーきょーーーっ!!」
「・・・宗太くん、寝たほうがいいんじゃない?」
「うん・・・。」
「待て待てっ。左京にこいつの姿、見せてからだっ。」
「悪趣味っ。」
「ギール、うるさいぞ。こんな朝早くから・・・。・・・って・・・俺!?」
「へへっ。そっくりだなぁ、やっぱお前ら。」
「宗太、どうしたんだ、その格好・・・。」
「ん~・・・面白いかなぁ~・・・って。」
「くくくっ。そっくり、そっくり!」
「お前がそんなに羽目外すなんて珍しいな。なんかあったのか?」
「いや~?なんにもないけど・・・。」
「そうなのか?・・・ま、たまにはいいだろうけど・・・。」
まるで鏡を見ているようで、左京、説教に身が入りません。
「なぁなぁ、橘花、橘花ー。」
「むっ・・・ダニエル・・・今帰ってきたの?」
「あのさー・・・。」
「ちょっとこっち来て。」
「・・・?なんだよー。」
橘花、なにやら怒っています。
「ん~?なんだー?」
「こんな時間までなにやってたのよっ。」
「なんだ~?俺がいなくって寂しかった??」
「そんなこと言ってないよっ!何度も電話したのに、携帯、どうしたのよっ!!」
「え?携帯??なんか用あった?愛の告白??」
「呆れたっ!あんた、携帯もポケベルも、持ってないのっ!?」
「ポケベル?なんの話・・・?」
「もー知らないっ!お酒臭いっ!!勝手に部屋に入ってこないでっ!」
「えええ~っ・・・。」
・・・と橘花は言いますが、飲んでいるとき携帯が鳴っていたのかどうか、思い出せません・・・。
「う~いっ・・・俺ぁ、もう限界だー。」
さすがのギルも、そろそろ体力が限界です。
「うー・・・。」
ばたんっ。
「あっ!こんなトコで寝てー。蹴ってやろうか。」
しかし、5分もしないうちに復活。
「・・・つまんない。」
「お父さん、ボクもう寝るよ。頭痛いし、ふらふらする・・・。」
「そうしろ。ま、ちょっとくらい寝ても、二日酔いは収まりゃしないけどな。」
「そんなぁ・・・。」
宗太、そのままベッドに入り、熟睡してしまいました。
橘花にしたたか怒鳴りつけられたダニエルは、逆に目が冴えてしまって眠れません。
それにお腹も減ったので、なにか作ろうとしていました。
「あ、ダニエル。橘花ちゃんから聞いたか?」
「えー?あいつ、急に怒鳴りだしてよー・・・。朝帰りくらいで・・・。」
「そうじゃないよ。お前、病院から何度も呼び出しの電話がかかってきてたんだよ。」
「・・・え?」
「ポケベル、持ってんだろ?携帯は?」
「あ・・・そういえば、ベル・・・忘れていったような・・・。携帯は・・・。・・・圏外・・・?」
「なにやってんだよ!病院から何度も電話あって、その度、橘花ちゃんがお前に電話してたけど通じなくって・・・。心配してたぞ?」
「え・・・病院から・・・?ヤバい・・・。」
「最後には、なんとかなったって連絡入ってたみたいだけどよ。」
「そっか・・・。」
「お前、橘花ちゃんに謝っとけよ?彼女、昨夜、寝てないぜ?」
橘花が怒るのも無理ありません。
病院から緊急の呼び出しが入っていたのに、ダニエルには連絡が取れず、どうしたのか、と気を揉んでいたのでした。
『マズイ・・・病院からの緊急呼び出しだったなんて・・・。』
時間外とはいえ、仕事をサボったのは初めてです。
穴を埋めてくれた同僚にも、上司にも頭を下げなければなりませんが、もちろん、橘花にも謝らなければなりません。
一気にシラフに戻ってしまいました。
「ふんふ~ん♪5分寝たらすっきりしたぜ!ジョギングでもいくか?1号、2号。」
「ぴ。」
「ぴー。」
「よーしっ!」
「ギル、どこ行くんだ?」
「ジョギング!酒、抜いてくるぜっ!」
「・・・化け物か、お前は・・・。」
恐ろしい体力です・・・。
バーにいる時、ホントに病院から『緊急事態発生!』の連絡がありましたが、リアルに無視しました(^_^;)ゝ
医者って、拘束時間長くってキツイよね~。
週休三日だけど、常に呼び出しかかるし。
そもそもダニエル、論理学スキルが意外にも低くて、なかなか仕事の経験値が上がらないのに、これで一気にマイナスに。
さすがに一晩中遊ばせてたら、みんなふらふらでした(笑)
左京以外はみんな、昼過ぎまで寝てました。
・・・あ、ギルはジョギング行ったんだった・・・。
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