お仕事に精を出すロッタ。
「もぉっ!往生際が悪いんだからぁっ!!」
「へへ。キャッチ!」
そんなロッタのお仕事の時間は、夕方から夜中まで。
だから、同居人と顔を合わせないか、というとそうでもなく・・・
「あれー?あんた、まだ起きてたのー?」
「まだ起きてたんじゃなくって、もう起きたのっ!」
宗太は無駄に朝が早いです。
だから夜は早寝で、また朝起きるのが早い・・・というサイクル。
「なぁーんだ。そうなの!」
「朝の方が創作意欲、湧くんだよ。静かだし。」
日中は誰かがいて、やたら話しかけてきますからね。
「ね・・・ギルももう、起きてる?」
「上にいたみたいだよ?」
ギルも仕事が朝早いので、早起きです。
「あ!ギル~♪」
「なんだ。ロッタ。・・・それ、仕事の制服か?」
「うん。」
誤解が解け、再び仲良くなっていく二人です。
「仕事はどうだ?うまくやってるか?」
「うん。あのねー。今日は8体も捕まえたよ!」
「今度、サージェントが取りに来る前に見せてあげるねっ!キレイなんだよ~。霊魂。」
「う・・・うん。」
実はギル、幽霊がちょっと苦手です。
けど、ロッタの手前、そんなことは言いません。
「な、ロッタ。」
「なぁーに?」
「ちゅ。」
「うふ♡ギルったらぁ~。」
「時間だ。仕事、行って来るよ。」
「うん。頑張ってね♪」
あれこれと文句を言ってましたが、結局、自分を追いかけてきたロッタがいじらしいと思ったギル。
売り飛ばされる心配もなくなったので、改めてロッタとの恋をやり直そうと思ったんです。
「なぁ。最近、俺たち出番が少ないと思わないか?」
「ダニエルさんだけじゃない?ボクは結構出てるよ。」
・・・住人が増えたので、いたし方ありません・・・。
夕方になれば、ロッタはまたまたお仕事。
「んもぉ~。こんなトコにもいるぅ。」
あ。スケ三郎の家でしたか!
「君ィ~すごいや!」
「えへ。そぉ?」
「おいら、お化け、怖くって!」
「お化けなんか怖くないよぉ。出たらいつでも言ってね!」
尊敬のまなざしのスケ三郎です。
橘花は自由業とはいえ、作品を仕上げなければお金になりませんので、せっせと彫刻を作るんですが、やり始めたらなかなか止まらなくなってしまって、いつしか夜が明けていることも多いです。
この日も徹夜明け。
「あー・・・眠い・・・。」
「生活が夜型になってるなぁ・・・。」
「橘花、徹夜?あたしもー。お腹減ったー。」
「夜の仕事ってツラくない?」
「ん~・・・。そうでもないよ。」
「そう?遊びにも行けないんじゃない?」
「完全に夜型に変えちゃえばいいじゃん。ギルが仕事行ってる間寝てればいいし。」
「あ・・・やっぱ付合ってんの?」
ロッタはそう言うんですが、平日にも休みがあるギル。
「う~ん・・・。ロッタと遊びに行こうと思ってたんだが・・・。寝てるし・・・。」
仕方ないので一人で出掛けます。
ギルは軍隊でそこそこの地位に昇進していますが、ちょっと勉強不足で、手先があまり器用ではないので、スキル本を買いに行きました。
そしてその場で即立ち読みです。
「ふむふむ・・・ドライバーとレンチの使い方は~・・・。」
「配管の修理は破損部分に継ぎ手を使って、と・・・。」
「電化製品の場合はまずプラグを抜いて放電させてから、基盤を・・・。」
・・・延々同じ姿勢で読んでるんですが、すぐそばにベンチがあるんだから座ればいいのに・・・。
それとも、鍛えてるんでしょうか?
「あ、ロッタ。今起きたの?」
「ねー。ギルは?」
「出掛けたみたいよ?」
「ちぇー。」
ロッタは今からお仕事。
ギルの顔が見られなくて寂しいんです。
「ん~・・・一緒にいてもらいたいなー。・・・軍隊、辞めさせちゃおっかな~・・・。」
・・・何を考えてるんでしょう・・・。
ロッタちゃんの生涯願望は、「恋愛よりどりみどり」。でも、その望みは叶いそうにないので、いずれ変更するつもりです。
でもロッタ、スケ三郎まで誘惑するとは・・・。
それも面白いかもしれませんが(^-^;)
ギルが本屋の店先で微動だにせずスキル本を読んでる後ろにいるのは、ダニエルのにーちゃんです。
言葉通り、逆タマに乗ったようで、いつの間にか結婚して苗字が変わってました。
狙ったわけでもないのに、「フランシス・フレイ」という名前に・・・。
お気付きかとおもいますが、登場人物ほぼ全員、苗字と名前のイニシャルが同じなんです。
柑崎橘花でK・K ダニエル・デュボワでD・D ・・・とかね。
べつにどうでもいいこだわりなんですけどね。
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