出張とは名ばかりの・・・

「ふーむ・・・この街の新聞は、誰と誰が結婚したとか、どことかの誰かが引っ越してきたとか・・・やけにローカルな話題に力を入れてるな・・・。」

「もっと世界情勢を大きく扱うべきじゃないのか？」

「なぁ。2号。」
「ぴー。」
「ははっ。お前はまだ小さいから分からないか。」

朝っぱらから一人と2羽で楽しそうなギルベルトです。

「今日はいいお天気だなぁ。どっか遊びに行きたいなー。」

・・・とそんなことを考えていた橘花でしたが、
「ねっ、ねっ、橘花。」
「なにー？」

「あのさ、えーっと・・・どっか遊びに行かない？」

ダニエルも同じことを考えていました。
「いいよー。どこ行く？」
「ホント！？」

「えーっと・・・俺、病院の研究材料に、虫取って行かなきゃいけないんだよねー。」
「虫取り？じゃ、山の方にピクニックでも行く？なんの虫？」

「コガネムシなんだよねー。4匹。」

「じゃ、準備して行こっか。」
「うんっ！」

・・・と盛り上がる二人でした。
しかし・・・。

「ねー、橘花さん。コガネムシってこの辺じゃ取れないよ？」
「え？そうなの？」

二人の話に聞き耳を立てていた宗太が、こんなことを言い出しました。
「じゃ、どこ行ったら取れるの？宗太くん、知ってる？」

「へーっくしゅんっ！・・・んん？なになに？どしたの？」
「コガネムシって、この辺にはいないんだって。」

「え？俺、ちょっと山の中か林の中に行けば取れると思ってたよ。どこに生息してるの？」
「確か・・・エジプトだよ。」
「エジプト・・・？」

「あー・・・だから病院で、休暇とって行ってこいって言われたのか・・・。」
「ね、行くんならボクも一緒に行くよ！」

目的地がエジプトでは、すぐに出発というわけにはいきません。

「ん～・・・エジプトじゃ無理かぁ・・・。」
「でも・・・行ってみたいなぁ。エジプト。」

おや？橘花、乗り気なようです。
ですが、未知の土地にいきなり行くのは不安です。
「ん？どっか行くって？」
「あ！左京！な、左京、エジプト行ったこと、ある？」
「あるよ？」
「左京に引率してもらえばいいんじゃん！な！橘花。」

ダニエル・・・左京を誘ってどうする・・・。

「さっきの、なんの話しだ？宗太。」
「んー・・・ダニエルさんが、病院の研究で使うから、コガネムシ取りに行きたいんだって。でも、コガネムシってエジプトにしかいないでしょ？」

「それでか！行くのはいいけど・・・俺、保護者扱いかよ！」
「いいじゃん。ボクも行きたいし。」

こうして、なぜかエジプト旅行に出ることになりました。

「せっかくだからギルも一緒に行くか？エジプト。」
「あ、俺、飛行機苦手だからパース。」

「いいじゃないか。仕事、頼めば休み貰えるだろ？」
「うーん・・・いや、やっぱやめとくよ。」

「飛行機くらい・・・寝ときゃいいじゃんか。」
「けどなぁ・・・。」

「1号と2号が検疫に引っかかって空港から出られなくなるんだよぉ。」
「あ、そっか。」

「可哀想だろぉ。」
「お前、可愛がってるもんな。鳥。」

ギルベルトには留守番を頼むことにして、ダニエルの休みに合わせて旅立つことになりました。

「んーっと・・・人数は4名、っと・・・。別荘はないから・・・ベースキャンプだな。」

実は左京、まだエジプトで別荘が買えるほど、ビザレベルが高くありません。
それもそのはず、エジプトには、ティーンの頃1回行ったっきりなんです！
「ま、初めてじゃないし・・・なんとかなるだろ！」

行き当たりばったりですが、本当になんとかなるんでしょうか・・・。

「こんな感じでいいかな？」

いいと思います。

「こんな感じかな？」

・・・アヤシイと思います・・・。

「お前ら・・・行く前からそんなに張り切ってどうすんだ・・・。」
「いってらっしゃーい。」

なぜか新聞配達少年に見送られて、エジプトへ出発です！！





アドベンチャー好きなプレイヤーで申し訳ない(^-^;)
ちょっと資格試験がありまして、さすがに勉強しなければマズイ！と、数日、ゲームもレビューも封印しておりました。
試験も無事（？）終わりましたので、再開です！
で、いきなりエジプトです（笑）
ダニエルが、「エジプト行ってコガネムシ取ってこい」なーんていうチャンスを受けてしまいましたので、せっかくなので行くことにしました。
左京がエジプトには1回しか行ったことないのは、以蔵とヒイナさんの二人でがっつりアドベンチャーしたかったからなんですねー。
ダニエルは、エジプトで無事、コガネムシを取る事ができるんでしょうか！？