「よかった・・・。なんてラッキーなんだ。」
「ん?なに?」
エリックは、自分の運の強さを天に感謝していた。
エヴァンスの家ではずっと、クレメンタインの血筋を追っていて、自分の父親は、「クラリッサ・ノーランド」まで辿りついて、病に倒れた。
クラリッサは、クリスとシンディーの娘であるジュディの孫に当たる。
そのクラリッサの孫が、今、目の前に居る橘花なのだ。
「柑崎さん。カレンさんの親族の話を聞いたことがありますか?」
「さぁ。詳しくは聞いたことないけど・・・。両親も亡くなってるし。」
「カレンさんに兄弟は?」
「いなかったけど。叔父さん、叔母さんはいるって聞いたかな?」
「カレンさんは芸術的才能はありましたか?」
「は?絵描いたりするのは好きだったけど・・・。」
「じゃ、この子は!?この子は芸術的才能、ありますかっ!?」
「・・・あんた、何言ってんの・・・。」
橘花にそんな才能があるかどうかなんて、今の時点では分からない。
けれどもエリックは信じたかった。
たとえ、圭介に胡散臭がられても・・・。
「・・・で、あんたがそこまでカレンのこと聞きたがる『事情』ってのは?」
「ま、ゆっくり話しますよ。」
「・・・あんた、泊まる気だな・・・。」
「バレました?」
「いいじゃないですか。こうして出会ったのも何かの縁なんですから・・・。」
「唐突に押しかけてきてよく言うよ。」
「さ。橘花ちゃん。ちょっと抱っこさせて貰ってもいいかな?」
「んーん。」
この子が成長すれば、きっとアーネスト・エヴァンズの悲願が果たせる。
そう思いたかった。
「ほれ。こちょこちょこちょ~っ。」
「いやーん。」
「わあぁぁーんっ!」
「あれ?こちょこちょはイヤだったかな?」
「よしよし、いい子だ。大きくなったら私と結婚するかい?」
「やぁーーーーっ!」
ばきっ!
「・・・うーん・・・力の強いお嬢ちゃんだ・・・。」
「ははは。元気があってなによりだ。」
・
・
・
「・・・って小さい頃プロポーズしたんだけどね~。」
「記憶にない・・・けど小さいワタシも断ってんじゃない。」
「で、それからどうしたの?」
「口説いたさ。毎日。」
「毎日?」
「そう!こいつ、橘花に毎日殴られてもしつこく構ってたなぁ~。」
「止めてよ。パパ。」
・
・
・
それからしばらく、エリックは柑崎家に留まっていた。
クレメンタイン家にまつわる話を、圭介に詳しく聞かせるために。
そして、小さな橘花を見守るために。
あけましておめでとうございます。
ちょっとのんびりペースになるかとは思いますが、
今年も頑張ってお話を進めていきます。
たまに覗いていただくだけでちょうどいいかと。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。(*・.・)ノ ・:*:・゚'★.。・:*:・゚'☆♪
こんにちわ~♪
返信削除エリックが橘花に殴られてる(笑)
鼻…鼻血…ぎゃーはははは!
橘花が思いっきり嫌がってるのが笑える!
力の強い子供だったんですね(笑)
うんうん、小さい橘花もちゃんと断ってた!
というかかなり本気で断ってた!
あー面白かった(笑)
またきます♪
まことんさん、こんにちは~!
返信削除エリックは昔っから橘花に殴られてたんですよー。
ま、知らないおじさんに、いきなりプロポーズされたら、物心ついてなくても嫌がりますって(笑)
家の中に、パパしかいないので、人見知りだったんですよ。ちっちゃい橘花。
話しがなかなか進まなくってすみません。
ぼちぼち進めていきます~。
コメント、ありがとうございました!