「圭介さん、あの子、嫁にくださいよー。」
「お前・・・いくつだよ。」
「22です。」
「なんだよ。僕と2歳しか違わないんじゃん。ダメダメ~。」
「もちろん成人してからですよ?」
エリックは圭介にもそんなことを言い続けていたが、圭介が首を縦に振るわけがない。
「ふふん。今に見てろ~。絶対嫁さんにしてやるから。なっ。橘花ちゃん。」
「やー。」
「む・・・い・・・今のは『イヤ』っていう意味じゃないよな・・・?あはは。こっ・・・言葉、まだ分からないんだよな?本読んでるだけだよな?」
「いやぁー!やっ!」
「・・・。」
「エリックさぁ・・・お前、あんな幼女にプロポーズしてどうすんだよ。父親の僕の前で口説くんだから、変な趣味があるってわけでもなさそうだけど・・・。」
「一族の悲願達成のために早道だからね。」
「クレメンタインの話しじゃなくって?」
「チャールズ・クレメンタインの望みは、クリスの魂を受け継ぐ子孫に、自分の像を作って貰いたい、ってことさ。」
「うん。それは聞いたよ。それで100年以上かかって、やっと見つけたのが橘花なんだろ?」
「そう。あの子を失ったら、私たちの一族は、また振り出しに戻る。橘花ちゃん以外にも、まだ子孫はいるだろう。けど、その人物をまた探さなきゃならないんだ。」
「だから橘花を手元に置いておこうってか?とんだヒギンズ教授だな。」
「チャールズの望みはさっき言った通り。その為には才能ある彫刻家に育て上げなければならないだろう?ヒギンズ教授、大いに結構。」
「才能ある彫刻家って・・・才能のあるなしは、生まれもっての資質の問題じゃないか。なぁ。橘花。」
「ぱー。」
「お前には才能があるのかな?・・・ほれ、ミルク。」
「まー!」
ツイン・ブルックのクレメンタイン家にまつわる話を、エリックから一通り聞かされはしたものの、圭介にはどうしても自分の娘がその系譜に繋がる人物だとは思えない。
「ふ~む・・・。」
しかも、確かに興味深い話ではあったが、一本にまとめるとなると、なにか決め手に欠けるような気がする。
圭介は、エリックから聞かされた話を、事細かに記録はしたが、この記録を元に、物語をひねり出すことが出来ずにいた。
「圭介さん、橘花ちゃんを嫁にくださいよ。」
「ダメ。」
「じゃ、養女ってのは?」
「実の親がいるのに、なんで養女に出すんだよ。お前、いつまでいる気だよ。仕事は?」
「学生なんです。」
「は?」
「けど、橘花ちゃんを養えるだけの蓄えは・・・。」
「なんか、やっぱりそれ、おかしいぞ?」
エリックの柑崎家の滞在は、既に二週間を過ぎていた。
その間、圭介はエリックからクレメンタイン家にまつわる話はいろいろと聞いたが、そういえば、エリック自身のことは、ほとんど聞いていない。
「この子奪われてみろ。僕は死ぬぞ?」
「・・・確かに可愛い・・・。」
「だろ?・・・ってそうじゃなくてだな。エリック、お前は何をそんなに焦ってるんだ?」
「焦って・・・。」
「そうだろう?今まで100年も待ったんだ。橘花が大人になるまで待ったっていいじゃないか。」
「待つさ。だけど・・・この子が大人になって、クリスの魂を宿してないとなると、また・・・。」
「イチからやり直し?橘花が大人になるまでの間に、別の子孫を探してもいいだろう?」
「私は・・・親父や、じいさんがクレメンタインの系譜を必死になって辿っている姿を見て育ったんだ。そして、それがエヴァンス家の長子として生まれた者の使命だと教えられた。」
「うん?」
「親父もじいさんも、家にはほとんど寄り付かずに、国中歩き回って、クレメンタインの子孫の足跡を追ってたんだ。まるで何かに捕り憑かれたようにね。」
「ふむ。」
「それが私の先祖の遺言であるとはいえ・・・。今後、更に時が経てば、チャールズの子孫を探すのはますます難しくなる。」
「それはそうだな。」
「だから・・・。これ。」
「これは?」
「これがアーネスト・エヴァンス、その人の日記です。」
「お前、こういうのあるんなら、さっさと出せよ。」
「ふーん・・・。」
「ま、実質、そこに書かれていることが、アーネストの遺言ってわけで。」
100年前の古い日記。
圭介は時が経つのも忘れ、その日記を読みふけっていた。
あれ?過去話、なんでこんなに長くなってるんだろう・・・。
お!アップされてる!
返信削除こんばんわ♪
さっそく遊びに来ました!
ビールはもう飲み終わりましたよ(笑)
いいですよ、長くても。全然OKですとも!
私は楽しませていただいております!
それにしてもエリック…しつこいですね(笑)
可愛いから分からないでもありませんが。
でも『やー。』って言われてるし(笑)
お父さん、マジでかっこいいですよね。
はかなげでいい感じです。
過去話とかって長くなったりしますよね。
でも面白いから引きずり込まれます。
あの出来事は100年も前の出来事だったんだな~。
出来事と言いますか悲しい事件と言いますか…。
ますます今後の展開が気になりますね。
お疲れとは思いますが、続きを楽しみにしてますね!
最終回へのコメント、ありがとうございます!
改めてお礼を申し上げます!
私もやっと落ち着いて、さっきまであの雪の街で遊んでました(笑)
やっぱ綺麗ですよ!しばらくはあのワールドで遊んでます。
又遊びに来ますね!
と、いいますか、何気に毎日のぞいています(笑)
ストーカーになってまう(笑)
まことんさん、おはようございます!
返信削除ビール、飲みましたか~?
あれだけ長い話を続けていて、それが終わってしまうと、達成感もあるけど、やっぱり寂しいものがありますよね。
1年以上続いてたんですよね~。
まことんさんの連載では、いろいろなことを教えていただきました。
でも、ずーっとやってて、ブログにアップしなくていいんだーと思うと、逆にうずうずしてきませんか?(笑)
ジーンとリンダの子供、見たいしー!
お目にかかれるのを楽しみにしてますので(^-^*)
こちらは遅々として進みませんが・・・。
あ~・・・自分がいけないんですよ~。
仕事忙しいのもあるけど、他に余計なことやってたりして、なかなかゲームが進まず・・・。
でも、ちょっとゲーム立ち上げて、動かしていたら、やっぱりシムズって面白いんですよね~。
そうそう。
100年以上前の出来事なんですよ。あの、クリスの物語って。
やっと現在に繋がってきましたよー。
頭の中ではいろいろ考えてるんですが、実際、台詞を乗せたりして作るのって、ホントに難しい・・・。
おつきあいいただいて、ありがとう!嬉しいです♪
ところで、まことんさんのコメントの返信で、『合作で』って話しがありましたけど、それ、ホントにやってみたい!
・・・というか、そんな風に言っていただいてすっごく感激です!
いろいろやり取りとか、ブログのアップとか本当に難しいでしょうけど、二人で同じシムを使ってプレイして、二人で話を練り上げていったら・・・面白いでしょうね!
ワタシの場合、満足するのは自分だけかもしれませんが・・・(^-^;)ゝ
リレー形式とかでもいいですよね♪
話の本筋は決めておいて、二人で交互に共通ブログにアップしていくとか。
雪の街、やっぱりキレイなんですねー。
DLしたものの、まだインストールしていないんですよ。
そろそろシム熱がふつふつと復活してまいりましたので、本編も進めるけど、他のこともやってみたくなってきました。
まことんさんの次回作も楽しみにしてます!!