
日々、絵を描いたり彫刻をしたり、外に出ることもほとんどなく、
「父さん、動かないでね。」

腕を磨くことだけに専念していた。
一方のアーネストは、
「おじさん、護岸工事は八割ほど進みました。順調に進捗していますよ。」
「ふむ・・・アーネスト、君の腕もたいしたものだな。」

事業に手を出そうとしないクリスに代わり、アーネストはチャールズの仕事を手伝っていたが、事業家としての頭角をめきめきと現し、いまや、チャールズの片腕と呼ばれるまでになっていた。
「ああ・・・仕事の後の一杯はうまいな。」
「おじさん、飲みすぎないでくださいね。それに工事は・・・僕の腕ではありませんよ。おじさんが計画して、職人たちを育ててここまで進んだんじゃありませんか。」
「ふふっ。お前もその一人だろう?見事な設計だよ。アーネスト。」

チャールズに、堅苦しい呼び方は止めてくれ、と言われ「おじさん」と呼んでいたが、アーネストはもちろん、父のユージンと同様、チャールズに心酔していた。
「次は・・・ダムですね。」
「うむ。ダムが完成すれば、この街はますます住みやすくなる。人も集まって発展するだろう。」

ツイン・ブルックの街は、少しずつ、少しずつ人が増え、建物が増え、発展していった。
事業には関心を持たないクリスだったが、親同士の間で決められた許婚がいた。

彼女の名前は、キャロル。
美しく、快活な娘で、花嫁修業のためにクレメンタイン家に住み込んでいた。
「クリス。おじ様が心配してらしたわ。」
「何をだい?」
「クリスはあまり外に出ないから・・・。」
「僕は家で彫刻をしてるのが一番いいんだ。」
「でも・・・たまには散歩にでも行かない?」

チャールズは、クリスがクララに似て、蒲柳の性質なのを心配していた。
クリスには事業を継ぐ才能はなかったが、クリスとキャロルの子供に託そうと考えるのは当然だった。
「うん。たまには外に出てみるのもいいね。」
「でしょう?今日はとってもいいお天気。太陽の光が気持ちいいわ。」

「キャロル、君は明るい光がよく似合う。僕とは大違いだ。」
「クリスももっと外に出るべきよ!・・・ね、心配しないで。私、クリスとたくさん子供を作って、おじ様とおば様を安心させてあげるの。子供がたくさんいる、賑やかな家庭を作りたいわ。」
「僕に・・・できるかな・・・。」

「大丈夫よ!」
「君は・・・本当に太陽のような人だ・・・。」
「・・・あ・・・。」

クリスには、キャロルの明るさが眩しすぎた。
彼女の言う通り、一緒になって、子供を作り、明るい家庭を作る・・・そうすれば幸せになれるのは分かりきっていた。
毎日、腕を上げる為、彫刻台に向かっていたが、

「ああ・・・また失敗だ・・・。」

ある時期から、作っても作っても満足できず、失敗を重ねるようになった。
「どうしてダメなんだ・・・。僕には・・・無理なのか・・・?」

クリストファーは、自分には才能がないのではないか、と疑問を抱くようになっていた。
「む・・・これほどうまく作れるというのに・・・クリスは何が不満なんだ・・・?」

チャールズの目から見て、クリスが作った物はどれもすばらしい出来だと思えるのに、クリスは納得できず、作っては壊し、作っては壊しを繰り返していた。
「アーネスト。お前はどう思う?クリスは何がそんなに不満なんだ?」
「僕には・・・芸術のことはよく分かりません。けど・・・。」
「ん?」

「クリスは昔・・・同じ本を繰り返し、繰り返し読んでいました。」
「ん?何の本だ?」
「童話・・・だったと思います。」
「童話?」
「ええ・・・。これに、立派な芸術家になる為のヒントが書いてある、と言って・・・。」
「どんな本だ?」
「確か・・・呪いをかけられて氷像になってしまった両親を救う為に、少年が呪いをかけた魔法使いを探して冒険するっていう話だったと・・・。」
「それが芸術家になる為のヒントか?」
「クリスが・・・どんな解釈をしたのか分かりません。けれど・・・生きた人間をそのまま氷像にする魔法があるって信じて、その魔法を覚えれば、素晴らしい彫刻が作れるって・・・。」
「馬鹿な。」

しかし、クリスは信じていた。
腕を磨けばその魔法が身につくと信じ、その魔法で、チャールズに生き写しの氷の像を作るのだ、と思い詰めていた。
だが、この世に魔法など存在しない。
いつまで経っても魔法が使えないのに苛立ち、クリスはいつしか彫刻を作ることを苦痛に感じるようになっていた。
キャロルとの結婚も先延ばしになり、家でぼんやりしていることが多くなっていた。
「なぁ、クリス。市場の向かいに、宿屋が出来てるの知ってるだろ?」
「宿屋?」
「なんだ。知らないのか?うまい酒が飲めるんだぜ!ちょっと行ってみないか?」

ある日、家を訪れた友人がそう言ってクリスを誘った。
街に流れ込んでくる人が多くなり、宿屋、と名のついた建物がいつしか建っていた。

一階は酒場になっていて、街の人間や開拓者たちが羽を休める場所だったが、酌婦のような女もいて、階上で一夜の伽を捧げる場所でもあった。
いや・・・DQⅤですよね、それ・・・。
氷じゃなくって石像ですけど・・・。
で、宿屋の二階でぱふぱふ出来るのはお約束ですよねー。
ところで、説明臭くて文字が多くて申し訳なく・・・。
ゆっくりやったらとんでもない長さになるんで・・・。
こんばんわ!
返信削除いや~なんだか凄く素敵ですね。
建物とか人の着てる洋服とか、凄くマッチしてます。
私もいつか中世の物語をやりたいと思ってるんですよ。
確かに、道路とか問題ですよね。
道路は諦めるとして、後は車。
馬車があればな~とか思ってるんですが、中々見つかりません。
いま必死にお城とか家とか作ってますが、まだまだかかりそうです。
さて、物語なんですが、非常に興味深いです。
クリスとアーネスト。この二人がカギのような気がします。
そしてキャロルもそこにかかわって来るのかな~なんて勝手に想像してます。
実はこういう物語、すっごく好きなんですよ。
昔のって言うか…この時代のって言うか。
侯爵とか伯爵とか出てくるのとかも大好きです。
今でもよく小説をよみますが、その頃の時代のを読むことが多いですね。
なんと一カ月に15冊は軽く読みますからね。
本当に暇な人間ですよ(笑)
週末はせっせと図書館通いしてます。
偶然にも私の住んでるマンションの下が市営図書館なんですよ。本好きの私としてはラッキーですね♪
本当に続きが楽しみです。
実はその1を見た時からワクワクしてました。
もちろん、謎を解く事にもワクワクしてますよ!!!
あの宿屋、凄くそれらしくてビックリです。
そうなんですよね、
昔って下は飲み屋で二階は綺麗なお姉さんとムフフが出来るとこが多かったみたいですよね。
と言うか綺麗なお姉さんが常備いる…見たいな。
うーん、続きが楽しみ…。
まことんさん、こんばんはー!
返信削除西部開拓時代のお話なんですけど、今回、建物はすべてDL品です(^_^;)ゝ
馬車・・・ワタシも探したんだけどなくって、諦めました・・・。
建物は、こちら⇒http://sims-initiative.blogspot.com/ とか、MTSさんとかでDLしましたよー。
服はAll About Styleさんですねd(≧▽≦*)
馬車は、たぶん、こちらの馬⇒ http://madybyvic.blogspot.com/2010/05/golden-horse-collection.html と、こちらの幌⇒ http://sims-new.my1.ru/forum/4-20-11#901 を組み合わせれば、西部劇に出てくるような馬車の雰囲気だけは出たかもしれないんですけど・・・。
中世だとまた、ちょっと違いますよね。
どの道乗れないので、諦めたわけなんですけど。
アメリカの歴史に詳しいわけではないので、開拓時代の写真とか見ながら雰囲気作りをしたんですけど、本編から離れてやってたら、すっごく楽しかった♪
CCとかごっちゃり入れて、家は7人家族とか8人家族とかだったのに、めっちゃ軽くて快適に動くんで、重い原因は街の人口にあるのかも・・・?とか思ってました(^-^)
本、好きなんですね~。
ワタシも活字中毒で、歴史の本とか好きなんですよ~。
主に日本史ですけど。
でも、最近はPCに向かってることが多くて、あんまり読んでないなぁ。
図書館の上に住んでるなんて、楽園ですね!!!
羨ましい~!!
こんな風に、現実の時間軸に合わせて過去話をやってしまうと、以蔵が1920年くらいの生れになってしまってありえないんですけど、そこは物語の中のこと、ということで・・・。
クリスとアーネスト、これから二人の運命が変わっていきます。
もうちょっと続きますので、おつきあいくださいね(^ー゚)ノ