危険なオンナ

彫刻のおけげで仲良くなれたので、ヒイナさんと一緒にうたた寝する橘花。

そんなヒイナさんの氷の像ですが、やはり、3日ほどで溶けてしまいました。


「ね、ロッタさん、こないだの話なんだけどさ。」
「こないだの話？デートしてくれんの？」
「そうじゃないって。溶けない氷の像の話っ。ロッタさん、どっかで聞いたことない？」

「ん～・・・ないなぁ。都市伝説じゃないの？」
「そうかな？ツイン・ブルックの伝説なのかな？」
「だったらダニエルにでも聞いてみたらー？」
「ダニエルさん？」
「あいつ、ツイン・ブルック生れだから、詳しいんじゃない？」
「あ、そっか。」

聞いてみる価値はありそうです。

早速、仕事から帰ったダニエルを捕まえ、尋ねてみました。
「ダニエルさん、ツイン・ブルックのこと、詳しいよね？」
「ん～・・・ま、学校で習う程度には・・・。」
「ね、溶けない氷の像の話しって、聞いたことない？」
「溶けない氷～？・・・ん～・・・。」

「聞いたことないの？じゃ、やっぱりただの都市伝説かなぁ。」
「なに、お前、ツイン・ブルックのこと知りたいの？」
「うん。」

「だったらさ、俺の同僚に、すっげー詳しいやつがいるから、今度呼んでやろうか？」
「ホント？」
「そいつ、ホントに詳しいんだよー。昔のこの街の話とかさぁ、延々とするわけ。」
「へー。聞いてみたいなぁ。」

ダニエル、疲れているのか、リアクションが少なくなっています。

「橘花、こないださぁ・・・。」
「・・・ん？」
「・・・ゴメン。」

ダニエルは、疲れているのではなく、橘花に怒られたことが堪えていて、元気がないのでした。
「ワタシに謝ったってしょうがないじゃない。病院の人とか、患者さんに迷惑かけてんじゃない。」
「うん・・・。それはもう謝った。おかげで夜勤、増やされちゃって・・・。」

「自業自得でしょ？」
「うん。だから・・・許して？」
「だーかーらーワタシに謝ったってしょうがないって言ってんじゃん。」
「でも怒ってるし・・・。」

「じゃ、お皿洗っといて。出掛けてくるっ。」
「そんだけでいいの？」
「そんだけでいいよ。」

そう言って橘花は席を立ってしまいました。

「たまーにやりたくなるんだよねー。」

最近の橘花のひそかな楽しみ。
それは・・・

どーーーんっ！！！


爆破！！
「ごほっごほごほごほっ・・・。」

「こうなるのは分かっててもやめられないんだよねー。こんなトコ、誰にも見せられないけど。」

いつの間にか爆破が趣味に・・・。
スクラップをかき集め、家に持ち帰って発明していると・・・
「ふんふふ～ん♪」

「・・・なんか熱い・・・。」

バーナーの扱いに失敗して火が！！
「ぎゃっ！」

「う～ん・・・また失敗した・・・。彫刻みたいにうまくはいかないなぁ。」

そして、料理をすれば、
「・・・失敗。これも全然うまくならない・・・。」

あまりに危険そうなので、自分では食べずに、
「・・・ま、いいや。」

「冷蔵庫に入れとけば、ダニエルか誰かが食べるよね。」

「危ないって思ったら、メイドさんが処分するだろうし・・・。」

ダニエルに対するお仕置きでは、決してありません。







爆破にもスキルがあるんですね！！
知らなかったー。
道理で、『あれを爆破したい』『いくつ爆破したい』って願望がやたら出ると思った！！

橘花、危険な日常を送っています(^_^;)