どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

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主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

木曜日, 12月 11, 2014

プロローグ Side_R⑤

「怜、知っているか?」
「なんでしょう?」

「南極と北極は、どちらが寒いか分かるか?」
「南極です。南極は大陸がありますし、標高が高いですから。」
「ほう。よく知っているな。」

「当然です。」
「じゃ、これはどうだ?」

怜と四郎がトリビア勝負をしているところへ、アールが帰ってきた。

「ただいまー・・・。あー腹減った。」
「おや、アールくん、おかえりなさい。デートじゃなかったんですか?」

「うん。」
「なにも食べてこなかったんですか?」
「ボーリングしててさぁ・・・。」

「気付いたらこんな時間になっちゃって・・・。しぃちゃん、送ってきたんだよ。」

あれから、しぃに教えながら何ゲームかやって、気付いたらしぃの門限の時間が迫っていた。

「あー・・・やっぱ寮のメシはうまいなぁ。」
「俺が作った残り物だぞ。それ。」
「だからだよ。」

「アールくん、上着くらい脱いだらどうです?」
「だって腹減ってんだもん。」

「あ。そうだ。怜ちゃん、話が・・・。」
「ボクは読みかけの本でも読むことにします。談話室に行ってますよ。」

しぃがダメなら、赴任先に、怜か四郎と一緒に行ってもらおう・・・とは虫のいい話だが、どうにも一人では不安である。


「あのさー・・・二人とも。」
「んー?」
「なんだ?」

「あのさー・・・話しあるんだけど。」
「そうですか。」
「そうか。」

しぃには、既に就職は決まった、と言ったアールだったが、この二人には、正直に言ったほうがいい。

「怜ちゃんは休暇、実家に帰るんだったよね?」
「はい。」
「四郎は・・・。」

「俺も帰るぞ。院試に受かったことを親に報告せねばならん。ついでに家業など継がんと親を説得してくる。」
「えー。大変だねぇ。・・・じゃ、時間はないかな?」
「なんの時間だ?親を説き伏せるのに何日かかると思うんだ。」
「そうだよねぇ・・・。」

「何を企んでいる?」
「いやいや~・・・俺と旅行しないかな~とか思ってさー。」
「なんで貴様と旅行に行かねばならんのだ。」
「きっと楽しいよぉ~。実家に帰る前にちょこっと。」

「男同士で旅行なぞ、誰がするか。なんだか分からんが、怜に行ってもらえ。」
「ボクもイヤです。」

「そう言わずに頼むよー。俺の・・・。」
「・・・さて。」

「俺は寝る。アールの戯言になど付き合ってはおれん。」
「ボクもそろそろ・・・。」
「二人ともー・・・。」

「寝るとします。」
「怜ちゃーん。話し聞いてよー。」
「眠たいので明日聞きます。」

二人ともなんて友達甲斐がないんだ・・・と、アールは自分の身勝手さを棚に上げて思ってみたが、なんだか情けなくなってきた。

「・・・そりゃぁーさ・・・自分のことなんだから俺がしっかりしなきゃなんだけど・・・。」

けれど、どうしても不安なのだ。

「本当なら、しぃちゃんと一緒に行って、本採用・・・内定でも出たらその場でプロポーズして、二人で将来住む家を探しに行ったりして・・・。」

「・・・いかん、いかん。妄想しすぎだ・・・。」

不安だ、というのもあるが、一人で見知らぬ土地に行くのが、どうにも寂しい。

「四郎はちょっとムリかな。やっぱ明日、怜ちゃんを口説き落とそうかな。」

事情を話して頼み込めば、怜なら断らないだろう。

「そんで、その後、一緒に実家に帰ればいいし。・・・ね。怜ちゃん。」

怜に同行してもらって、就職を決めて、それなら大手を振って実家に帰れる。

「ホテル代くらいは俺が持つか・・・。惜しいけど・・・でも・・・。」

しぃと一緒に行くのなら、費用はすべて自分持ちだ、と考えれば、怜の宿泊代くらいなら安く上がる。
そう思い直すことにした。


「怜ちゃーん。」
「なんですか?」
「昨日の話の続きなんだけど・・・。」

翌朝、起きるなりすぐに、アールは怜をつかまえて、口説き落とそうとしていた。

「なんなんですか。朝っぱらから。朝食が先です。」
「そう言わずに聞いてよー。」

「あのさ。教授の紹介で、就職の口利いてもらったんだけど・・・。」
「ほぉ。それはよかったじゃないですか。本採用ですか?」

「いや~・・・一度、赴任先に行かなきゃいけないんだよね。」
「うん。行けばいいじゃないですか。」
「怜ちゃん、一緒に行ってくれないかなぁ。」

「なんでボクが?明日には実家に帰るんです!こんな寒いところからは一刻も早く立ち去りたいんです!」
「そう言わずにさ。頼むよー。」

「そんなの、一人で行ってください!それに、しぃさんはどうしたんですか?」
「しぃちゃん、家族旅行なんだよ。俺とどっか行こうなんて言えなかったし。」

「怜ちゃんしか頼れないんだよ。」
「一人で行ってください。」
「そこをなんとかさー・・・。」
「イヤですってば。」

怜は嫌がっているが、こうなったらなんとしてでも一緒に行ってもらわなければ、とアールは意地になっていた。


「あー。やっと終わりました。」

今年最後の講義が終わり、学生たちは帰省の準備に取り掛かったり、今年最後のパーティーの準備をしたり、となんだかそわそわしている。
講義の間中もずっと、アールは怜からなんとかOKを貰おうと、話しかけていた。

「さーて。帰りますか。」
「怜ちゃんてば待ってって。」

「ね!お願いっ!俺と一緒に行ってよー。」
「イヤですよ。」

「もちろん宿泊代も出すし!きれいなホテルがあるらしいんだよ。」
「どんなところなんですか?」

「それが分かんないから一緒に行って欲しいんだって。」
「・・・。」

「楽しいとこかもしれないよ?こんなに雪も降ってないかも?」
「・・・信用できないんですが・・・。」

「1日だけだよ。そんでさ、一緒に実家帰ろうよ。」
「帰ることにしたんですか?」
「就職、決まったも同然だったら、帰ってもいいんだし。」

「ね?」
「・・・まったく・・・。」

「仕方ありませんね。1日だけですよ?」
「もちろん!ちょっと挨拶して終わりだから!」
「いいでしょう。その後は実家に一緒に帰りましょう。」

「やった!やっぱ怜ちゃんならOKしてくれると思った!」
「寒くなければどこでもいいです。」

怜には適当なことを言ったが、アールもどんなところなのかまったく分からなかった。
過疎化が進んでいる、と聞いたので、結構な田舎町かもしれない。
けれど、怜が一緒に行ってくれるなら、どんなところでも構わなかった。



「あれ?意外と都会っぽくない?」
「そうですね・・・。」
「もっと田園風景が広がってるのかと思ったよ。」

怜と一緒に訪れた街は、予想に反して、かなり発展している様子だった。
古い建物と、真新しい建物が混在し、不思議な調和をかもし出している。

「なんだかいい街じゃん。」
「そうですね・・・。」
「怜ちゃん、元気ないね?どーした?」

「ふぅーん。ここがホテルかぁ。なんだかいい感じだなぁ。」
「アールくん・・・。」
「ん?なに?」

「寒いです。」
「確かに・・・。思った以上に寒いな・・・。」
「騙されました。大学より寒いです。」

「早く中に入りましょう。凍えてしまいます。」
「雪、深いなぁ。」

今はちらちらと雪が舞っている程度だが、この積もりようから推し量るに、かなり降り続いているのだろう。

「ほっ・・・中はあったかいですね。」
「先にチェックインしてくるか。」
「お願いします。」

このホテルは、まだ建ってから間もないようで、きれいだった。
それに、客の入りもよさそうだ。

「いらっしゃいませ。」
「予約してた一ノ瀬ですけど。」
「一ノ瀬様、2名様ですね。」
「はい。この辺りって観光するところとかありますか?」
「いろいろとございますよ。」

「新しく出来た学校など、一見の価値ありです。」
「学校が・・・ですか?」
「はい。それは素晴らしい建物ですよ。」
「俺、そこに用があるんですよ!」

「そうでしたか!来年の秋に開校するんですが、ほぼ完成してますので、中もご覧いただけますよ。」
「そっかー。早速行ってみようかな。」
「車ですぐですよ。」

「ふぅん。そんなにいい学校なんだな。」

フロントでそう聞いたアールは、気を良くしていた。
新しい学校で、若くてイケメン(?)の教師になった自分が、女生徒達にちやほやされる妄想が膨らんだ。

「先生ー恋人いるんですかぁ~?・・・なんちゃってな。」
「何を言ってるんです。アールくん。」

「いや・・・ちょっと妄想を・・・。」
「あ~・・・お茶がおいしいです。暖まります。」
「俺も飲もうっと。」

「部屋は取れました?」
「予約してたんだから大丈夫さ。」
「まぁ、そうですね。」

「お茶飲んだら、早速学校に行ってみようと思うんだけど。」
「うん。早く用事を済ませて、明日には発ちましょう。」
「じゃ、一緒に行こうか。」

「・・・アールくん、何言ってるんですか。一人で行ってください。」
「えー?怜ちゃん、ついてきてよー。」

「・・・アールくん・・・見てください。外を。」
「おっ。結婚式場もあるのかー。こういうとこで結婚するのって、いいなぁ。」

「そうじゃありません!こんな雪の中、外に出るのはまっぴらです!ボクは部屋でのんびり暖まってます!」
「すぐ近くだってよ?」

「建物も一見の価値ありだって!一人で部屋に残るんじゃ、寂しいだろ?」

一人で不安なのは、間違いなくアールのほうだった。





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大学からやっと抜け出せました。
自分好みに街を作るのって、相変わらず大変だー。
ワールドを作ってらっしゃる方はスゴイです。

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